研究課題
初年度は、必要文献の拡充を行なう一方、研究の準備段階として、資料の洗い直しを行ない、基本的な問題を整理し直した。まず、坂井が生命倫理学関係の文献の拡充と資料整理を行なった。その際、生命をめぐる情報交換のシステムのうちでも顕著な重要性を有する性の問題について、重点的に配慮した。並行して、新田・中澤が環境倫理学関係の文献の拡充と資料整理を行なった。その際、とりわけ自然多様性の問題に注目した。また、山田と中川は、認知心理学・認知言語学やそれらに関連する哲学文献の補充と資料整理を行なった。その際、とりわけ、状況意味論における情報論の最新の形式化といえるチャンネル理論を重視した。石原は、環境と人間存在の関わりという観点から、現象学・解釈学関係の文献の拡充と整理を行なった。その際、とりわけ初期ハイデガー哲学における解釈学問題の整理に意を用いた。田中と花井は古代・中世哲学における自然観や生命観についての研究等、本研究に関わる古典哲学の問題についての文献を拡充・整理した。その際、特にトマスの認識論に着目した。このようにして得られた基本資料についての概要を、いったん中川と中澤がとりまとめ、 「環境」 ・ 「情報」 ・ 「生命」という鍵概念についての主要な発見をまとめるという形で再整理し、その結果を坂井が吟味した。なお、各分野における最新の研究動向を視野に入れるという観点から、研究分担者は各地での学会・研究会等に積極的に出席した。
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