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2001 年度 実績報告書

古代インドにおける出家主義の成立と原始仏教を中心とした在家者との関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10410006
研究機関北海道大学

研究代表者

細田 典明  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (00181503)

研究分担者 沼田 一郎  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (20261258)
吉水 清孝  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (20271835)
藤井 教公  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70238525)
キーワードウパニシャッド / 原始仏教 / 『ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド』 / 出家と在家 / 『雑阿含経』 / 知恵文学 / サンスクリット阿含経 / 『ダンマパダ』
研究概要

1)ウパニシャッドにおける出家主義と王族との関連について、特にヤージュニャヴァルキヤとジャナカ王を中心に、研究代表者はブラーフマナ・アーラニヤカ文献も視野に含め、研究成果を纏めた。また、研究分担者により、法典おけるバラモンと王族の規定から出家と在家に関わる問題点と、ヴェーダーンタ哲学を中心にした出家や四生活期に関わる思想的諸問題を纏め、これを研究代表者が整理した。
2)原始仏教における出家者について、特に『雑阿含経』道品を、対応するパーリ・ニカーヤはもとより、現存サンスクリット阿含経や律・論蔵を精査し、これを訳注の形で反映させた翻訳を完成した。この道品は三十七菩提分法を中心としながら、後半に四不壊浄など在家者に及ぶ内容も含まれ、部派の中でその扱いの異なることが知られた。さらに、現存サンスクリット阿含経を漢訳『雑阿含経』と比較し、両者が共通の源泉を有していないことを明らかにした。また、研究分担者により、大乗仏教における関連人物の言及と展開を纏め、これを研究代表者が整理した。
3)研究期間中に収集し得た資料、並びに海外における本研究のレビュー等を踏まえて、特に『ブリハッド・アーラニヤカ・ウパニシャッド』と原始仏教の関連性が、地域的要因に深く関わることを言語的側面からも検討し、具体的には、『ダンマパダ』や『阿含経』(『梵網経』『沙門果経』等)との関連を明らかにした。これらの内容は知恵文学の伝統として捉えうるものであり、ジャイナ教聖典や叙事詩、大乗経典にも知られる。その継承を見るならば、ウパニシャッドも原始仏教も出家者の立場を基本とするが、在家者との関係によってその内容が大きく展開し、大乗経典はその典型的なものといえる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 細田典明: "『雑阿含経』道品のサンスクリット断片-SHT(IV)Kat.-Nr.162について-"印度哲学仏教学. 16. 29-43 (2001)

  • [文献書誌] 細田典明: "Brhadaranyakopanisad 3,8 and Early Buddhism"Studies in Honour of Dr.Sodo Mori on His 66th Birthday. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 藤井教公: "南岳慧思の仏性思想"印度学仏教学研究. 50-2(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 藤井教公, 池邉宏昭ほか: "世親『法華論』訳注(1)"北海道大学文学研究科紀要. 105. 21-112 (2001)

  • [文献書誌] 吉水清孝: "規定の働きの遷移について-Tantravarttika 第2巻第2章より-"印度哲学仏教学. 16. 75-92 (2001)

  • [文献書誌] 沼田一郎: "(書評)島岩・坂田貞二編『聖者たちのインド』"印度哲学仏教学. 16. 384-385 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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