研究課題/領域番号 |
10410007
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
印度哲学(含仏教学)
|
研究機関 | 国際仏教学大学院大学 |
研究代表者 |
津田 眞一 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (60124301)
|
研究分担者 |
デュルト ユベール 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (20288070)
平川 彰 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (70011244)
原 實 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (40011283)
鎌田 茂雄 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (80012970)
今西 順吉 国際仏教学大学院大学, 仏教学研究科, 教授 (70000594)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2001
|
キーワード | <開放系> / 終末論の克服 / プルシャ / グノーシス的二世界説 / 現在終末論 / 終末論的実存の弁証法 / 逆対応 / 名号的表現 |
研究概要 |
仏教学の立場からする環境論基礎論の定立を目標とする本研究は、世界の存立の根本的な肯定、逆の方向から言えば終末論の克服という一つの立場を自らの前提として自覚し、研究代表者がその著『アーラヤ的世界とその神』(1998年、大蔵出版)において提示した<開放系>という新しい世界理解の原理を嚮導原理として平成10年度に開始され、以後、各研究協力者はそれぞれの専門分野からこの原理を批判的に確認し、それに実質的なデータを提供する、という路線を保ちつつ、最終年度を迎えた。 <開放系>とは、人間の総体としての世界(衆生世間)と環境世界(器世間)とのZwiefalt的同一態としての世界を或る人格神的原理(<開放系の神>としてのプルシャ)の「身体性と生命」(ニーチェ・ハイデッガー)として把握し、あるいは仏教思想史の事実的(<閉鎖系>的)な過程をその「歴史を貫く目的論的な理性が自己を告知する」(フッサール)その過程と見做すところのものなのであるが、われわれの共同研究は、ゴータマ・ブッダの宗教(原始仏教)の一見世界否定的な表出の裏面にすでにその「理性」(大プルシャ)の自己保存という「目的論」が厳然と存在しており、それが大乗仏教、密教、本覚思想ないし日本浄土教という仏教思想史の過程を一貫して働きつづけ、そして、その終極、親鷺から西田幾多郎への最終的展開においてわれわれ人間の側からする世界の存在維持の実践可能性、すなわち、「歴史創造的な行為」としての「名号的表現」(西田)という本質規定において、現にわれわれの生を規定しているそれ(世界の「自然法爾」的安立)にわれわれの人間側から行為的に投帰しなければならない、という「弁証法」的な「倫理」の原則を確認することが出来、所期の目標を達成した。
|