研究概要 |
本研究では、昨年度に続き、基礎作業として、大谷大学図書館所蔵のパーリ語貝葉写本中の「パンニャーサ・ジャータカ」のローマナイズ作業を実施し、本学に所蔵する26ジャータカすべてのローマナイズを完了した。その内の9種のジャータカを選び、田辺博士将来のバンコック市立図書館所蔵の貝葉写本数種との校合作業を実施し、以下のような経過と成果を得た。 1. 東南アジア貝葉写本研究の権威Peter Skilling氏の招聘:約10日間の招聘期間中に、貝葉校訂上の諸問題について相談し、多くの知見を得た。Skilling氏は、本研究に関連する多数の現地で収集した稀覯資料を将来し、提供した。 2. 公開講演会の開催:上記Skilling氏に"Jataka and Pannasa-jataka in South-East Asia"と題する公開講演を依頼し、学外からの研究者の出席も得て、有意義な討論と新しい知見を得た。 3.研究会の開催:月1度の定例研究会と数回の研究打合会を実施し、各担当者の発表と作業上の諸問題の打ち合わせをした。 4.校訂作業の実施:各自分担部分の校訂作業を実施し、担当部分の翻訳も実施しつつある。 5.研究成果の発表:代表者吉元は、スイス・ローザンヌで開催された国際会議に出席し、下記の口頭発表を行い、さらに別紙のごとく日本語による論文発表も行った。 Shingyo Yoshimoto,The Manuscript of Surupa-jataka in the Pannasajataka kept in the Otani University Library,XIIth Conference of the International Association of Buddhist Studies,at Lausanne また、分担者長崎、田辺、高井もそれぞれの分野から研究をなし、口頭・論文発表を実施した。
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