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1998 年度 実績報告書

倫理学のアカウンタビリティ

研究課題

研究課題/領域番号 10410011
研究機関大阪大学

研究代表者

鷲田 清一  大阪大学, 文学部, 教授 (50121900)

研究分担者 川本 隆史  東北大学, 文学部, 教授 (40137758)
大庭 健  専修大学, 文学部, 教授 (00129917)
安彦 一恵  滋賀大学, 教育学部, 教授 (20135461)
中岡 成文  大阪大学, 文学部, 教授 (00137358)
キーワード倫理学 / アカウンタビリティ / 責任 / 臨床哲学 / 情報倫理 / 哲学グラクシス / 所有 / 殺人
研究概要

本研究は、「倫理学のアカウンタビリティ」という問題を、社会に対して説明すべき倫理学の諸概念のより精密な規定をめざす関東グループと、哲学・倫理学的思考を社会の各現場で発生している問題へと繋いでいく試みについて討議する関西グループとに別れ、それぞれ日常的にその課題と取り組みながら、両者が年数回、その成果を持ち寄り、「倫理学のアカウンタビリティ」の理念を肉付けしていくことを目標としている。初年度はそれぞれのグループが、インターネット通信等を利用して研究課題にかかわる討議や研究の途中経過の報告、研究成果の一部公表をおこない、全体の研究合宿は4回おこなった。4度にわたる研究合宿ではまず全研究分担者が「倫理学のアカウンタビリティ」の理念をめぐってみずから取り組んできた研究内容と将来の研究構想を発表し、全体としての研究の進め方を論議したあと、第2回以降、「哲学カウンセリング」なと西欧諸国における「哲学ブラクティス」の試みの現地調査の報告、「責任」という概念と現代社会の関係についての集中討議、「なぜ人を殺してはいけないのか」という問題に近年集中的に取り組んできた研究者の長時間のディベートを中心にした全体討論、そして最後に、哲学とカウンセリングの可能性を家族療法という視点から探究する報告、ならびに正義と所有という倫理学・法哲学的概念が現代社会のなかでどのように機能しているかの報告を中心にした討論をおこなった。研究分担者・協力者は地域的に広がっているが、すでに各地域の倫理学関連の研究会(現代倫理学研究会、ヴァージョン90、臨床哲学研究会)で長期間にわたって持続的に共同研究してきた実績があり、問題意識も十分に共有できているために、討議内容が綿密でかつアクチュアルなものになり、初年度としては十分な成果が上がった。

  • 研究成果

    (19件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (19件)

  • [文献書誌] 鷲田 清一: "肯定の停止- <人間> という最上級の共同体をめぐって" 日本哲学会編 「哲学」. 49. 28-42 (1998)

  • [文献書誌] 安彦 一恵: "「ヒストリー」 を超えて" 関西倫理学会編 「倫理学研究」. 29. 校正中につき未定 (1998)

  • [文献書誌] 本間 直樹: "「病」 の認識論に向けて-家族療法からシステム論へ" 大阪大学文学研究科哲学講座編 「メタフュシカ」. 29. 127-139 (1998)

  • [文献書誌] 本間 直樹: "コミュニケイションと倫理学" 日本倫理学会編 「倫理学年報」. 48. 149-157 (1999)

  • [文献書誌] 田中 明弘 (共著): "大学生を中心とした若者の 「脳死および臓器移植に対する態度の研究 (その1)" 琉球大学法文学部人間科学科編 「人間科学」. 2. 1-29 (1998)

  • [文献書誌] 清水 哲郎: "看護に求められる倫理" 学研 『月刊ナーシング』. 19・3. 50-55 (1999)

  • [文献書誌] 清水 哲郎: "意図と結果-医療現場と哲学史の狭間で" 思想. 896. 1-3 (1999)

  • [文献書誌] 中野 敏男: "マックス・ヴューバーの変貌とそれを読む位置" 社会思想史研究. 23 (未定). (1999)

  • [文献書誌] 高橋 久一郎: "アリストテレスの目的論 (上) -目的論が論じられるべきではない場所-" 千葉大学 『人文研究』. 28. 11-42 (1999)

  • [文献書誌] 川本 隆史: "民族・歴史・愛国心- 「歴史教科書論争」 を歴史的に相対化するために" 小森陽一・高橋哲哉編 『ナショナルとヒストリーを超えて』. 157-173 (1998)

  • [文献書誌] 川本 隆史: "社会保障と世代間連帯-制度と倫理のつなぎ目" 世界. 659. 47-51 (1999)

  • [文献書誌] 川本 隆史: "人間の権利の再定義-三つの道具を使いこなして" 『新・哲学講義 別巻 哲学に何ができるか』. 151-179 (1999)

  • [文献書誌] 川本 隆史: "良心の経済学あるいは経済学の良心-アマルティア・センの思想と行動" 経済セミナー. 530. 10-14 (1999)

  • [文献書誌] 鷲田清一: "普通をだれも教えてくれない" 潮出版社, 296 (1998)

  • [文献書誌] 中岡成文 (共著): "「哲学に何ができるか」 (新・哲学講義・別巻)" 岩波書店, 230 (1999)

  • [文献書誌] 丸山徳次 (共著): "環境と倫理" 有斐閣, 214 (1998)

  • [文献書誌] 永井均 (共著): "なぜ人を殺してはいけないか" 河出書房新社, 148 (1998)

  • [文献書誌] 川本 隆史 (編): "新・哲学講義 6 共に生きる" 岩波書店, 244 (1998)

  • [文献書誌] 鷲田清一: "PHP新書58 『悲鳴をあげる身体』" PHP研究所, 201 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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