研究課題/領域番号 |
10410019
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研究機関 | 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館 |
研究代表者 |
市川 政憲 東京国立近代美術館, 研究員, 副館長 (20099930)
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研究分担者 |
中林 和雄 東京国立近代美術館, 美術課, 研究員 (50217816)
松本 透 東京国立近代美術館, 美術課, 研究員・課長 (90150044)
尾崎 正明 東京国立近代美術館, 企画課, 研究員・課長 (00113423)
藏屋 美香 東京国立近代美術館, 企画課, 研究員 (30260003)
水谷 長志 東京国立近代美術館, 企画課, 研究員 (50181889)
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キーワード | 青木繁 / キリスト教 / 岡倉天心 / ロマンティシズム / 浪慢主義 / インド |
研究概要 |
本年度は、昨年度までの調査に基づき、 1)「青木繁」「荻原守衛」「関根正二」「中村彝」「菱田春草」「村上華岳」「萬鐵五郎」ら作家、「岡倉天心」「和辻哲郎」「西田幾太郎」「タゴール」ら思想家・歴史家・批評家、「キリスト教」「女性・恋愛」「インドとの交流」「翻訳」等社会の主な動向に関する事項を併記した年表の作成を、分担して行った。これにより、3年間の活動を踏まえて本研究全体の見取り図を描き出し、美術と思想や哲学、社会の動向を一つの視野に納めた今後の研究に資する基礎を、一応のかたちにできたと考える。 2)財団法人石橋美術館の協力により、同館所蔵の「青木繁遺稿(仮面スケッチ)」に描かれた仮面のうち、東京国立博物館所蔵のものを同定するとともに、明治期の同館の展示計画に照らし合わせ、スケッチの制作年を推定する調査を行った。またスケッチ中に記された青木自筆のメモの書きおこしを行った。このメモは初めて公刊されるもので、今後の青木研究に資するところは大きいと考える。 3)北御牧村立梅野記念絵画館所蔵資料のうち、同館の協力を得て、青木の友人である梅野満雄手稿「ラハエル前派画家としてのダンテ、ガブリエル、ロセッチ」の書きおこし・校訂作業を行った。これにより、青木の画業に大きな影響を与えたとされるラファエロ前派の作品と活動が、青年期の青木の周囲でどのように受け止められていたのかを明らかにする具体的な手がかりを得た。同資料は初めて公刊されるもので、今後の青木研究に資するところは大きいと考える。 なお以上の成果は、すべて研究成果報告書にまとめられた。
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