研究課題/領域番号 |
10410021
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
林部 敬吉 静岡大学, 情報学部, 教授 (20023624)
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研究分担者 |
辻 敬一郎 名古屋大学, 文学部, 教授 (20023591)
中谷 広正 静岡大学, 情報学部, 教授 (80109131)
阿部 圭一 静岡大学, 情報学部, 教授 (80022193)
東山 篤規 立命館大学, 文学部, 教授 (00118001)
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キーワード | バーチャルリアリティ / 両眼視差 / 運動視差 / 視覚的臨場感 / 知覚恒常性 |
研究概要 |
人工現実空間(VR空間)、3次元実写空間、現実空間のそれぞれにおける奥行距離特性を測定した。現実空間として、奥行10m、横幅7m、高さ3mの屋内教室空間および奥行100m、横幅50mの屋外街路空間を選定し、3次元実写空間は、これらの現実空間をステレオビデオカメラで撮影したものを、VR空間は、これらの空間を人工的にシミューレートしたものから構成された。VR空間は、立体視のための奥行手がかりである両眼視差、パースペクティブ、陰影、テクスチュア勾配を用いて構成した。VR空間、3次元実写空間とも、37インチの大型ディスプレーに提示し、液晶シャッター眼鏡を通すことによって立体視させて観察させた。3種類の空間における物理的奥行距離に対する視えの奥行距離は、マグニチュード推定法およびメートル尺度による推定法で測定した。被験者は大学生8名である。 実験は次のようになった。 (1)現実空間での奥行距離特性 マグニチュード推定法による屋内教室空間でのベキ指数は1.27、屋外街路空間のそれは1.3となり、それぞれ視えの奥行距離は過大視傾向を強く示す。メートル尺度報告法での結果は、屋内教室空間ではやや過小視傾向を、屋外街路空間では物理的距離と視えの奥行距離とがほぼ一致する事を示し、マグニチュード推定法の結果とやや異なる。 (2)3次元実写空間での奥行距離特性 マグニチュード推定法による屋内教室空間でのベキ指数は1.19、屋外街路空間のそれは0.97となり、前者では視えの奥行距離はやや過大視傾向を、後者ではやや過小視傾向を示す。メートル尺度報告法での結果も、ほぼ同様な結果となる。 (3)VR空間での奥行距離特性 屋内教室空間では、ベキ指数は1.32、屋外街路空間でのそれは0.94となり、前者では明瞭に過大視傾向を、後者ではやや過小視傾向をしめす。メートル尺度報告法での結果も、ほぼ同様な結果となる。
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