研究課題/領域番号 |
10410026
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山田 寛 日本大学, 文理学部, 助教授 (80191328)
|
研究分担者 |
森島 繁生 成蹊大学, 工学部, 助教授 (10200411)
厳島 行雄 日本大学, 文理学部, 教授 (20147698)
|
キーワード | 顔面表情認知 / 顔面像処理システム / ワイヤフレームモデル / 情動カテゴリー / プロトタイプ / 感情的意味次元 / SD法 / 因子分析 |
研究概要 |
本研究の目的は、顔面表情の知覚・認知過程に含まれると考えられるところの意味処理過程の解明にある。特に、顔面表情のカテゴリー分類が、各カテゴリーのプロトタイプとの感情的意味空間距離を関数に行われるのかどうかを検討することを主眼としている。 この目的を達成するためには、顔刺激の表情情報を定量的かつ組織的・系統的に操作する必要がある。そこで、本年度は、まず最初に、それを可能にする実験用顔画像処理システムの構築を試みた。さらに、その実験用顔画像処理システムを利用して、実験に用いる刺激の作成も試みた。具体的には、はじめに、複数の人物の平常時の顔画像を撮影するとともに、各人物のワイヤーフレームモデルとテキスチャデータを作成し、顔画像処理システムによって、各人物の顔画像の表情を定量的かつ組織的・系統的に変化させた顔面表情刺激を作成した。 本年度は、そのようにして顔面表情刺激の作成準備と実験的制御の試験を実施するとともに、作成した表情刺激をセマンティックディファレンシャル(SD)法に従って被験者に評定させる実験を行った。より具体的には、はじめに、これまでに本研究代表者や過去の研究者が使用してきたSD法用の評定尺度の中から適切と考えられるようなものを選択するための予備実験を行った。次いで、その予備実験の結果を元に選択した評定尺度を用いて一つ一つの刺激を評定させる本実験を行い、その反応の因子分析を行った。その結果、これまでの過去の研究や本研究代表者が実施した実験結果で見出されてきたと同様の「快-不快」、「活動性」といった基本的な感情的意味次元を抽出することができた。 以上のように、本年度は、当初計画した本研究初年度の目的を予定通り達成することができたと考えられる。
|