• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

社会的知性としての信頼-信頼の社会的背景と心理プロセスに関する総合的研究-

研究課題

研究課題/領域番号 10410029
研究機関北海道大学

研究代表者

MILLER Alan・S  北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00281767)

研究分担者 大坪 庸介  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助手 (80322775)
山岸 みどり  高等教育機能開発総合センター, 教授 (20211625)
キーワード信頼 / 社会的知性 / 共感 / 対人認知 / 一般的互酬性 / リスクテイキング / レモン市場 / 評判
研究概要

平成13年度には、まず、顔画像の再認に関する実験が実施され、囚人のジレンマにおいて協力行動を取った人物の顔写真が、非協力行動を取った人物の顔写真よりも再認されやすいことを示す結果が得られた。また、顔写真の表情判断に関する実験が実施され、一般的信頼感が高く、共感性の中でも想像性の高い人間が、また、顔写真の表情判断が正確な人間が、囚人のジレンマにおける他者の行動予測が正確であることが明らかにされた。また、依存度選択型囚人のジレンマを用いた信頼関係形成に関する実験が実施され、依存度選択が可能な条件、すなわち相互依存関係にある相手の信頼性をあてにしたリスクテイキングの程度の選択が可能な条件では、依存度選択が不可能な条件に比べ、相互協力的な行動が生まれやすいことが明らかにされた。最後に、情報の非対称性により特徴付けられる「レモン市場」の実験を実施し、「信頼社会」の制度的基盤としての「評判システム」の有効性についての検討がなされた。実験の結果は、評判システムが存在しない市場では、取り引きされる商品の品質が最低水準まで低下し、それらの商品が最低価格でしか売買されない「レモン市場」が帰結するのに対して、現在のインターネット・オークションで用いられている通常の評判システムを取り入れるだけでも、レモン市場問題が大幅に改善されること、しかしなお問題の十分な解決には評判システムの改善が必要であることが明らかにされた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Toshio Yamagishi, Toko Kiyonari: "Ingroup Cooperation and the Social Exchange Heuristic"Suleiman, R., Budescu, D.V., Fischer, I., & Messick, D. (Eds.), Contemporary Psychological Research on Social Dilemmas. Cambridge, UK : Cambridge University Press.. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 松田昌史, 山岸俊男: "信頼と協力 : 依存度選択型囚人のジレンマを用いた実験研究"心理学研究. 72(5). 413-421 (2001)

  • [文献書誌] 山岸俊男: "心でっかちな日本人 : 集団主義という幻想"日本経済出版社. 261 (2002)

  • [文献書誌] 山岸俊男: "安心社会から信頼社会へ : 日本型システムの行方"中央公論新社. 253 (1999)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi