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2001 年度 実績報告書

自己決定権意識からとらえた子どもの個性化の日本型モデルの検討

研究課題

研究課題/領域番号 10410030
研究機関筑波大学

研究代表者

新井 邦二郎  筑波大学, 心理学系, 教授 (60015914)

研究分担者 飯田 浩之  筑波大学, 教育学系, 助教授 (40159562)
キーワード自己決定権 / 自己決定欲求 / 自己決定能力 / 自己決定環境 / 個性化 / 子ども / 親 / 学校
研究概要

子どもの自己決定権意識の構造を解明するために,小学生(5年生),中学生(2年生),高校生(2年生)と小学生・中学生の保護者(親)を対象に質問紙調査を行った.調査内容は,自己決定権意識(子どもが自分のことは自分で決定してよいと考える程度),自己決定欲求(自分で決定したいと考える程度),自己決定能力(自分で決定する自信の程度),自己決定環境(自分に決定が任されている程度)の4つである.その結果,次のような結果が見い出された.【子どもの結果】1小学生・中学生・高校生とも,自己決定権意識よりも自己決定欲求のほうが高いレベルにある.(2)小学生・中学生・高校生とも,自己決定能力を自己決定欲求よりも,低く認知している.中学生・高校生は自己決定能力を自己決定権意識よりも低く認知している.(3)小学生・中学生・高校生とも,自己決定欲求や自己決定権意識よりも,自己決定環境を低く認知している.自己決定能力との関係では,小学生は自己決定能力よりも自己決定環境を低く認知し,中学生ではそれらを同レベルに捉えるが,高校生では自己決定能力よりも自己決定環境を高く認知している.【保護者の結果】(1)小学生・中学生の保護者は,子どもの自己決定権意識よりも自己決定欲求を高めに認知している.(2)小学生・中学生の保護者は,子どもの自己決定能力を自己決定欲求よりも低く,自己決定権意識とほぼ同レベルに認知している.(3)小学生・中学生の保護者は,子どもの自己決定欲求や自己決定権意識ならびに自己決定能力よりも,自己決定環境を低く認知している.以上のように,日本の小・中・高等学校の子どもに自己決定欲求が特に日常生活上の身近な出来事について高く見られるが,自己決定権意識はそれほどの高さではなく,自己決定能力は低く認知されている。
このような結果をふまえて、小学校高学年までに放任ではなく指導的観点から自己決定環境を用意し、自己決定能力を身につけ、この自己決定能力とバランス(調和)のとれた自己決定権意識を発達させることが重要と思われる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 杉原一昭監修, 新井邦二郎, 桜井茂男, 大川一郎指導: "発達臨床心理学の最前線"教育出版. (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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