研究分担者 |
鶴 光代 福岡教育大学, 保険管理センター, 助教授 (00036899)
昇地 勝人 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50036901)
遠矢 浩一 九州大学, 教育学部, 教授 (50242467)
針塚 進 九州大学, 教育学部, 教授 (50113973)
大神 英裕 九州大学, 人間環境学研究科, 教授 (20020141)
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研究概要 |
動作(法)でいう動作とは、主体が意図した運動を実現すべく心的努力とその結果とじて遂行される運動の一連の過程を意味する。脳性まひ児等の障害児にみられる動作不自由は、意図と結果としての身体運動の不一致に起因するとみなし、それを改善するために、援助者が一定の手続きにより、当人の努力の仕方を変える試みを行うが、これを「動作法」と呼び、これまでに障害児・者の指導法として顕著な成果を挙げてきた。本研究では、障害改善という視点ではなく、動作法を体験することによって心身の状態やセルフ・コントロール機能にどのような影響が認められるかを明らかにすることを目的としている。そのために、動作法体験が心身の諸機能に及ぼす影響に関するこれまでの資料に、認知や意識に関する資料を加えて動作法の基礎的見直しを行った。その成果を、東海・北陸心理リハビリテイション研究会で講演(大野;1998)したり、紀要に掲載(針塚;1998)したり、米国で開催された国際応用心理学会で発表を行った(Asghar,D.,Ohno,H.,&Harizuka,S.;1998)。また、動作法体験の心理構造を、援助者-動作課題-被援助者の三項関係からとらえ直し、共同注意(joint attention)の概念を用いて説明した(大神、1998)。筆者は1998年10月に韓国の公州大学に招聘され、動作法の新しい実践方法と理論の展開について意見を交換したが、1999年5月に開催されるイランの国際会議に招聘されており、動作法に関する研究成果を発表する予定である。また、新しく購入した呼吸代謝装置を用いて呼吸に関する生理学的指標を用いて、動作体験の効果や心身の機能との関係についても資料収集を進め、心身の機能変化やセルフ・コントロール機能の変化に関する分析を行っているところである。さらに、他の共同研究者の研究も順調に進んでおり、1999年度に中間の取り纏めを行う予定になっている。
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