研究課題/領域番号 |
10410036
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
藤原 武弘 関西学院大学, 社会学部, 教授 (20033706)
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研究分担者 |
神山 貴弥 広島大学, 学校教育学部, 助教授 (00263658)
田中 共子 岡山大学, 文学部, 助教授 (40227153)
南 博文 九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (20192362)
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キーワード | 拡張自己 / 適応機能 / 大切な所有物 / マテリアリズム尺度 / 非自発的喪失 |
研究概要 |
1 拡張自己の測定と構造に関する研究 拡張自己は、Prelinger(1959)の手続きに従い、自分の身体の部分、精神的過程、個人的属性を表すモノ、物的な所有物、他の人々等がどの程度自己の一部であるのかの評定を求めることで測定した。因子分析により拡張自己の構造は、「心理的・体内的過程」、「自分自身の産出物」、「身体の一部」、「身近な環境に属する対象物」、「個人的属性を表すもの」、「物的な所有物」、「物理的に距離の離れた環境に属する対象物」から構成されることが明らかになった。また拡張自己には性差が見られ、女性の方が拡張自己得点が高いことが判明した。また公的・私的自己意識と拡張自己の間に有意な相関が見出された。 2 拡張自己の適応機能に関する研究 環境移行事態で大切な所有物が適応過程の中で果たす役割を質問紙調査で研究中である。また子どもの発達過程の中で、Winincotの移行対象(transitonal objects)がどのような機能を果たすのかを質問紙調査と実験による研究で継続中である。 3 拡張自己の喪失と生活の質(QOL)に関する研究 阪神大震災で家屋を喪失し、仮設住宅に住んでいる西宮市民を対象に社会調査を行い、拡張自己の喪失が生活の質に及ぼす効果について研究した。被災者の主要な拡張自己は重要な他者で構成されていること、年齢とは無関係に拡張自己の喪失が生きがい感を増大させるということが明らかになった。
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