研究課題/領域番号 |
10410039
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小内 透 北海道大学, 教育学部, 助教授 (80177253)
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研究分担者 |
小内 純子 札幌学院大学, 社会情報学部, 助教授 (80202000)
酒井 恵真 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (80073493)
冨山 さくら 北海道大学, 教育学部, 助手 (20291990)
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キーワード | 日系ブラジル人 / エスニックビジネス / 国際交流活動 |
研究概要 |
1.4カ年計画の第2年度に当たる本年は、日系ブラジル人を中心とする外国人が集住する群馬県大泉町を対象として、(1)地域住民の外国人との交流のあり方に関する配布アンケート調査および面接調査、(2)エスニック・ビジネス経営者に対する生活の歩みと経営のあり方に関する面接調査、(3)国際交流団体のメンバーに対する国際交流の活動と機能に関する配布アンケート調査および面接調査を実施した。 2.その結果、地域住民に対する調査から、日本人住民の間には、外国人に対してゴミ出し、騒音の問題等を始めとするいくつかの点で根強い不信感が見られるが、それが表だった対立や葛藤を生み出すまでに至っていないこと、その背後に日本人と外国人の間に生活上の接点がなくなっている現実が存在していることがわかった。 3.エスニックビジネス経営者に対する調査からは、食料品、衣料品、引っ越しサービス、理美容、中古車販売、弁当、学習塾、ビデオレンタル、人事派遣等、多岐にわたるエスニックビジネスが展開されていること、経営者には、日本人経営者、日本国籍をもつ日系1世もいること、日本人経営者以外の場合、ビジネスの立ち上げに関して、営業許可、店舗の確保等の点で、何らかの形で特定の日本人に依存していること、ビジネスで成功した外国人の場合であっても、将来的には母国へ帰る意志が強いことなどが明らかになった。 4.国際交流活動に関する調査では、当町の外国人はブラジル人がほとんどを占めているにもかかわらず、会に加入している外国人は、ブラジル国籍以外の者に限られていること、活動内容や会員の興味関心もブラジル人に関してではなく、むしろ欧米やアジアを中心としたものとなっていることなどが明らかになった。
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