研究課題/領域番号 |
10410039
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小内 透 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (80177253)
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研究分担者 |
冨山 さくら 大阪市立大学, 人権問題研究センター, 助教授 (20291990)
小内 純子 札幌学院大学, 社会情報学部, 助教授 (80202000)
酒井 恵真 札幌学院大学, 人文学科, 教授 (80073493)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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キーワード | 日系ブラジル人 / 定住化 / 地域社会 / セグリゲーション / エスニック・コミュニケーション |
研究概要 |
1.本研究で対象にした群馬県太田・大泉地区では、日系ブラジル人の急増・定住化に伴って、地域社会における機構的システムないし諸制度が大きく変容している。第1に、日系ブラジル人を利用した独自の業務請負システムが構築され、第2に、行政機構が外国人が利用しやすい形に改変されている。第3に、ブラジル協会のように、エスニック・コミュニティの内部に新たな諸機構が構築されつつある。 2.これに対し、ホスト住民の労働-生活世界の変化は少なかった。日系ブラジル人は職場でも、地域でもホスト住民と強いつながりをもたず、セグリゲート化が進行している。ホスト住民と接触せざるをえない場面はゴミ出し、騒音、交通事故等に限定され、むしろ、それらがホスト住民にとって外国人に対する不信感を増幅させる機会になっている。 3.その中で、公立学校における子ども同士の閧係や外国人と接触するボランティア活動は、共同関係形成の1つの可能性を示している。公立学校は子ども同士が「自然体」での交流を行う場になっているし、ボランティア活動に参加した人々は外国人に対する一面的な見方を確実に変化させている。 4.このように、日本人と日系ブラジル人のセグリゲート化の現状が問われると同時に、次世代の教育やボランティア活動を通じて、労働-生活世界における日本人と外国人の共同関係がどのように形成されていくかが、この地域の将来のあり方を決める重要な要素になる。
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