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2000 年度 実績報告書

高齢者を支える地域福祉構造の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 10410040
研究機関北海道大学

研究代表者

金子 勇  北海道大学, 文学研究科, 教授 (50113212)

研究分担者 高野 和良  山口県立大学, 社会福祉学部, 助教授 (20275431)
園部 雅久  上智大学, 文学部, 教授 (00154716)
森岡 清志  東京都立大学, 人文学部, 教授 (50125358)
キーワード社会参加 / 生きがい / 自立性 / コミュニティ・モラール / ライフスタイル / シルバーサービス / QOL(生活の質) / 役割創造
研究概要

最終年度は「生きる喜び」としての生きがい要因を、3都市高齢者調査の分析結果とインタビューデータを総合化させて研究した。そこから高齢者の生きがいは、(1)有給の職業を通しての社会参加か有償無償を問わないボランティア活動による社会参加、(2)家族だんらん、(3)友人交際、(4)趣味娯楽に分類できるが、沖縄高齢者ではこれらがタコツボ的に並立しておらず、融合が顕著であった。家族だんらんに近所の友人が入ってくるし、学校の同窓生や元の同僚などを含む友人と一緒の趣味娯楽の仲間が模合(もあい)を作り、親睦を強める作用を持っていた。このような対面的なコミュニケーション関係を沖縄の高齢者は大切にして暮らしていた。
北海道の高齢者の特徴は生きがいがタコツボ的に並立していて、対面的なコミュニケーション関係も徐々に弱まっているところにある。これは支え合いを弱くする。
長野県では老人大学在学生と卒業生を調査したが、定年後に新しく関わった老人大学の果たす役割が大きかった。研究から引き出された成果は、この人為的な出会いの機会が対面的なコミュニケーション関係を増幅させることの発見にあった。この対面接触への意欲はまた、予防をかねた各種の健康診断への受診に結びついている。
北海道と比べて沖縄での高齢者ライフスタイルの特徴は、「人間関係」への強い意欲にあった。「若い人との触れ合い」、「素敵な人との出会い」、「友だちの多さ」というライフスタイル項目に支持が集まった。加えて、沖縄では「いくつになっても働きたい」、「同情されたくない」から構成される「自立志向」も目立った。「自立志向」を持ちつつ、「人間関係」を求める生き方は、21世紀の超高齢社会に生きる在宅健康高齢者のモデルといえるであろう。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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