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1999 年度 実績報告書

地方中心都市の機能と整備のあり方に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10410041
研究機関弘前大学

研究代表者

田中 重好  弘前大学, 人文学部, 教授 (50155131)

研究分担者 中村 良二  日本労働研究機構, 研究員
柄澤 行雄  常磐大学, 人間科学部, 教授 (70161255)
キーワード地方都市 / 地域変動 / 地域計画 / 農村
研究概要

本年度は、岩手県県南地域を中心に調査を進めてきた。
岩手県県南地域は、東北新幹線と高速道路の開通によって、大きく変貌を遂げてきた。しかし、県南の14市町村の地域づくりと、この間の変動過程を仔細に検討すると、
(1) 高速交通体系からの社会的距離によって、工業化の進展が大きく異なる。たとえば、大東町は高速交通体系から遠いために、その恩恵に浴していない。
(2) 高速交通体系の近接するなかでも、開発計画や工場誘致政策などの違いにより、順調な工業の集積が進んだ地域と、そうでない地域とがある。
(3) 工業化の展開は、地元市町村の施策だけではなく、岩手県の施策にも大きく左右されている。
(4) さらに重要なのは、各地域の地域づくりの理念である。高速交通体系が整備された前後の工業化一本やりの地域づくりの発想から、現在では、多様な、地域の個性を活用した地域づくりの可能性が模索されている。たとえば、花泉町の「花」と「餅」にこだわった町づくり、平泉町の歴史的な遺産を活用した町づくり。さらに、江刺市の、NHK大河ドラマをきっかけとした「藤原の郷」づくり。
(5) こうした地域づくりのなかで、住民参加の可能性が大きな意味を持ち始めている。例えば、藤沢町の自治会整備による福祉のまちづくり。
こうした各地域の動向を前提とすれば、地方都市と周辺地域との関係も、かつてのように一義的に規定することはできなくなる。地方都市と周辺の各地域は、それぞれ個別的な関係を取り結んでいる。こうした見地から、今後の地方都市の機能の整備を検討する必要がある。
今後、各地域で中心都市と周辺地域との多元化する関係性の実態を解明しなければならない。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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