研究課題/領域番号 |
10410046
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
石川 義之 島根大学, 法文学部, 教授 (20035330)
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研究分担者 |
江口 貴康 島根大学, 法文学部, 講師 (10248601)
竹村 一夫 島根大学, 法文学部, 講師 (60243416)
小林 久高 島根大学, 法文学部, 助教授 (30215355)
村本 邦子 女性ライフサイクル研究所, 所長
近藤 孝造 徳島工業短期大学, 講師 (40234934)
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キーワード | 性的虐待 / インセスト / 児童虐待 / 性的被害 |
研究概要 |
本年度の科学研究費補助金によって主として2つの研究を行った。すなわち、(1)大阪市に在住する3,021人の18〜54歳の女性に「性的被害と女性の人権に関するアンケート」を発送、うち506件の有効回答を得た。(2)アンケートにおいて、性的被害経験に関するインタビューへの回答者を募集、35件の協力の申し出があり、うち実際にインタビューができたのは23件であった。 (1)については、統計ソフトSPSSによるコンピュータ処理がほぼ完了、もっか報告書の作成中、(2)については、社会学のライフコース研究の方法を適用して分析中である。 以下、(1)のアンケート調査の結果の一部を紹介する。 (1)被害経験の有無について、これまで何らかの性的被害を受けた経験を持つ者79.4%、被害経験無しは20.4%に過ぎない。(2)被害を受けた時期について、「子ども時代のみ」14.7%、「成人期のみ」28.4%、「両方の時期に有り」56.0%。(3)性的被害経験として、現在何らかのPTSDの症状のある者88.5%、症状無しの者11.5%。(4)被害経験中、「最も傷ついた被害」について、それが始まったのは「小学生の時」が最も高率で18.4%、その加害者は「見知らぬ人」が最も多く61.3%であった。さらに、その被害の頻度は「1回だけ」が74.4%で最も多かったが、21回以上というのも12件、3.8%に上った。加えて、被害時に「抵抗できなかった」者が34.4%、しかも、誰にも「相談しなかった」者が31.3%に上る。被害時に「動揺した」者は91.6%、その被害が何らかの程度で「その後の人生に影響を及ぼした」者も80.7%を数える。(5)性的被害に対する対応としては、「子どもを対象とした被害防止教育等の充実」などが高率を占めたが、上記の調査結果からして、まさにこの問題への真剣な対応が求められていることが示唆された。
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