研究概要 |
本研究の目的は,妻のネットワーク構造が,夫婦関係・役割分担状況(とくに育児に関して)によってどのように異なるか,あるいは,都市度の違いによってそれらがどのように変化するか,そうした点を明らかにすることにある。 そのために,当初の実施計画においても,調査票を用いた調査の実施が計画されていた。この実施計画にもとづき,今年度は,研究の初年度として,調査票の作成,サンプリング,実査を実施した。来年度は,回収票の整理,データ入力,集計を行ない,結果の分析を行なう予定である。 1. 調査票の作成 調査票を作成するため,4回の研究会を,飯塚市(研究代表者の所属機関所在地)において開催した。研究会において,夫婦関係・役割分担の問題がとくに鮮明化するのは,乳幼児期の子どもの育児期であるとの指摘がなされ,この時期の夫婦の関係性に焦点をあてることができるような調査票の設計を目指すこととなった。女性の就業率が高まる一方,少子化の進行も指摘される現在,乳幼児期の子どもをもつ妻が,就業を継続するために,夫婦間でどのような家児・育児分担がなされているか,どのようなネットワークが配置され活用されているか,また,どのような専門サービス・機関が利用されているか,それらに都市度の違いによる差異がみられるのか,といった点を明らかにできる調査票づくりが行なわれた。 2. 調査地点とサンプリング,調査の実査 当初4地点が計画されていた調査地点は,人口量を指標とした場合に都市度の効果が明確に現われるような地点選定が必要との観点から,3地点(福岡市,岡山市,徳島市)へと変更した。これにともない,1地点あたりのサンプル数を700サンプルへと増加した。サンプリングは2月中旬〜3月上旬に,研究代表者,分担者,協力者によって,選挙人名簿を用いて行なった。サンプルは,晩婚化、少子化の影響をできるだけ排除するため,30-50歳女性に限定した。実査は3月下旬に郵送法によって行ない,現在,回収中である。
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