本件度は、アジア系外国人妻が多く流入している山形県最上地方の町村であると戸沢村、最上町、金山町の農村地域に絞り、彼女等の生活状況やその福祉的対応及び老親扶養などについてケーススタディ、さらには結婚の紹介斡旋業者についてインタビューを行った。 その結果については、研究成果報告書で詳しく述べるが、おおよそ以下のようなことがいえよう。 農村地域で自立した生活を営んでいる外国人妻は、農村の旧来の生活様式に自分を適応させるとうよりは、自分の生活スタイルを確立し、それにまわりの環境をとりいれるという生活スタイルが多くみられ、老親との人間関係も良好であった。 一方、日本農村の文化や生活に耐え切れず離婚に至っている者が少なくない。斡旋業者の面接によれば、約2割から3割の者が離婚し、対象地域を離れている。しかもこうしたアジア系外国人妻のケースは、本国に属国したのは例外的であり、むしろ東京など大都市に流出していることが判明した。その理由は、姑や舅との関係や家の因習になじめず、大きなストレスをかかえていたこと、また、出身国の大都会で育った多くのアジア系外国人妻は、本国以上に、日本のはなやかな生活を夢見てきたにもかかわらず、現実の生活は、むしろ、本国以上に厳しい生活を強いられ、そのギャップに苦しんでいた。
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