本年度は、2つに分けて活動を開始した。まず、国際文化交流グループについては、国際文化交流の中心を担ってきた、国際文化振興会ならびに国際交流基金について研究した。様々な分野の研究者ならびに実務経験者を集め、研究会を組織して、その活動内容なら美のその意義について、発表を中心に研究会を開いた。その結果、その2つの文化交流組織に関する分析を、簡単な報告書にまとめることができた。この分野は、ほとんど研究蓄積がないので、貴重な第1歩となると思われる。できれば、この成果を受けて、別の国際文化交流団体(たとえば、民間の財団(例:国際文化会館、トヨタ財団)など。)の分析に進んでいけたらと考えている。これは、次年度以降の課題である。 もう一つの研究は、文化産業研究グループである。こちらの方は、東京の文化産業を、主に社会学的な方向から、グローバリゼーションという巨大なトレンドと関連づけて研究を進めていった。本年度は、聞き取りを中心に、基礎的資料を集めることに中心をおいた。たとえば、郵政省・通産省など関連部署にヒアリングを実施した。民間では、電通総研・ソニーコンピューターエンターテイメント・任天堂などのほかにも、いくつかの、財団法人など(例:マルチメディア産業振興財団)でも、インタビューをさせていただいた。これ以外にも、イギリスのロンドン大学で、ロンドンと東京の文化産業の比較研究をしている、Andy C.Pratt講師を招聘し、様々な指示を仰いだ。なお、来年度は、基本的なデータ収集を続けると共に、今までの成果をまとめる方向で研究を続けていく予定である。
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