今年度は、文化交流に関しては、前年度における国際交流基金関係の研究成果を受け、地方自治体と民間の文化交流団体の調査に着手した。我が国における主要な文化交流機関・団体をピックアップし、そこで出している主要な成果を郵送調査を用いた集め、分析を終えたところである。来年度早々にインタビュー調査を行い、来年度にはその成果をまとめたい。なお、東京の文化産業については、参考にすべき統計的データの整備が遅れているため、別途そのデータベース化を試み、報告書の巻末に資料として添付した。 文化産業については、前年度からの継続研究が進み、本年度末に、ロンドンと東京を比較した報告書を刊行することが出来た。特に、今年度は、東京の文化産業に関してまとめることが出来、2000年2月には、オランダ、ロッテルダムのエラスムス大学で開催された国際シンポジウム(The Long Run 2000)でその成果を報告することが出来た。また、この会議では、ヨーロッパのみならず、アジア(台湾・イランなど)の接触しにくい社会に関してもネットワークを広げることが出来て、極めて有意義な会議であった。 来年度は、さらに一歩進んで、文化的グローバリゼーションを実質的に進めている、情報文化に踏み込んでさらにこの研究を発展させたいと考えている。具体的には、欧米の主要な情報文化とアジアの主要な情報文化(シンガポール・マレーシアなど)について、掘り下げて比較・分析する予定である。
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