研究課題/領域番号 |
10410056
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
加納 弘勝 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (20214497)
|
研究分担者 |
林 哲 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (20167068)
三澤 健宏 津田塾大学, 学芸学部, 助教授 (20297112)
小倉 充夫 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40055322)
|
キーワード | 地域間比較 / 食糧暴動 / チアパス / 先住民武装組織 / クルド / モザンビーク内戦 / 済州島 |
研究概要 |
第三世界の4地域における国家と社会関係を、暴動などを軸に比較検討をするための準備を行った。とくに98年は、今まで食料暴動などの少なかったアジア地域において、インドネシアでは政権交代とその後、分離運動や宗派対立などに関わる暴動が劇化し、検討すべき課題の大きさを示した。研究分担者は、それぞれの地域における現状の整理や、歴史的な視野の整理を進めた。南米地域においてはメキシコ南部国境地帯のチアパスとボリビアにおける先住民と先住民を軸にするゲリラの活動に注目した。チアパス州の2都市、サンクリストバル、タパキュラを訪問し,資料文献の調査と、先住民の村落を訪問した。中東地域においてはクルドを中心に分離運動や反政府運動が展開しており、クルド人の移動の実態、地域間の言語の共通性や該当国のクルド文化政策を分析した。アフリカ地域においては、冷戦の終焉に伴う和平の到来と民主化は紛争の解消に貢献した。とくに南部アフリカにおいてはモザンビークの内戦の終焉、そして何よりもアパルトヘイトの崩壊は大規摸な暴動を減少させた。しかし、貧困の格差の存続は、犯罪等の市民生活を脅かす現象を顕在化させているし、民主化に伴う民族紛争はかえって激化している例がある。アジア地域においては、朝鮮の脱植民地化過程に注目した。政治的暴力にかかわる事件(済州島4/3事件など)は、長い間研究史の上でも空白であったが近年ようやく明るみに出され始めた。こうしたいくつかの事件を取り上げ、その動向を歴史的に検討した。なお、メキシコでは武装組織に関するビデオ・データ、また、中東では部族・教育などに関わるビデオ・データを、映像データとして収集した。
|