研究課題/領域番号 |
10410059
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
竹内 隆夫 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (40105747)
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研究分担者 |
松薗 裕子 いわき明星大学, 人文学部, 助教授 (00164799)
赤木 攻 大阪外国語大学, 学長 (10030157)
北原 淳 名古屋大学, 経済学部, 教授 (30107916)
谷口 裕久 京都文教大学, 人間学部, 助手 (70288695)
高井 康弘 大谷大学, 文学部, 助教授 (00216607)
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キーワード | 工業化 / 都市化 / 人口移動 / 中間都市 / 巨大都市 / 農村 / 少子化 / 高齢化 |
研究概要 |
東南アジアの工業化の展開は、1997年7月以降の金融・通貨危機にともなう経済停滞により、一頓挫したが、2000年に入ってようやく経済の持ち直しがいわれるようになってきた。しかし、見通しはまだまだ明るくない。この結果として、この間の都市・農村関係には、それまでの経済発展が順調に展開していた頃とは逆の人の流れも見られるようになった。すなわち、農村から都市(とくにメガロポリス化した巨大都市)への人口移動から、都市から農村への帰郷となる人口移動である。農村における農民層分解の状況次第では、帰郷先の農村から切り離された人も増加するが、完全に家族・親族関係から孤立化しない限り、先にあげた逆の人の動きが明瞭になった。 地域社会を、都市・農村としてとらえる場合でも、工業化の進展は、従来の大都市中心のみではなく、中間都市や小都市の発展ももたらしつつある。そして、都市に出ていく移住者は、農村への出稼ぎ移住者とは異なった属性を持つようになってきた。それは、とくに学歴に現れてきている。都市への移住者の学歴が、そこに住む非移住者のものよりも高くなりつつある。これはとくに大都市や中間都市の常雇用者の学歴に顕著に現れている。このことは、農村部では高い学歴を得た人に見合う職業がないことを意味しており、少子化が急速に進む、この地域での近い将来の都市・農村関係のあり方を示唆する指標になろう。また、高齢化についてもこの四半世紀で、平均寿命の伸びが顕著になってきたため、農村社会の従来の家族・親族関係では納まらない独居老人の問題等もその萌芽が出始めている。 今回の研究では、これら先進国での動向をより速く実現しつつあるこの地域の動向が、次の段階での研究課題として明瞭になった。
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