研究概要 |
本研究は,4年間の期間で行なう計画となっており,その開始年度である今年度においては,次年度以降の本格的な調査研究にむけて,以下のような調査研究活動を行った。 第一に,全国の都市に散在している寄せ場の現状を把握するために,大阪・釜ケ崎,東京・山谷,神戸・新開地,名古屋・笹島,横浜・寿町,川崎・ハラッパを中心として,短期間のフィールドワーク調査を行った。この調査では,日雇労働者・野宿者および労働運動・市民運動に携わっている活動家への簡潔な聞き取り調査を実施した。 第二に,増加する野宿者(要生活保護者)と寄せ場との関連を把握するために,主要都市(大阪・神戸・京都・名古屋・東京・神奈川・札幌・函館)での短期間のフィールドワーク調査を実施した。 第三に,戦後を中心として,寄せ場に対して実施された行政施策に関する文献資料を収集・整理した。 第四に,欧米における都市下層問題,とりわけてもホームレス問題に関する研究資料を収集・整理した。 第五に,寄せ場を日本社会における都市下層問題として位置づけるための社会学的な理論枠組を検討した。 第六に,上記のフィールド調査で得られたデータの解釈と文献資料の解読を通じて,次年度以降の調査研究にむけた具体的な研究計画を構成した。
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