研究課題/領域番号 |
10410063
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研究機関 | 東京都立短期大学 |
研究代表者 |
和田 清美 東京都立短期大学, 都市生活学科, 助教授 (40211677)
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研究分担者 |
高桑 史子 東京都立短期大学, 文化国際学科, 教授 (90289984)
大矢根 淳 専修大学, 人文学部, 専任講師 (80281319)
竹中 英紀 桃山学院大学, 社会学部, 助教授 (30257737)
牛山 久仁彦 愛知大学, 法学部, 助教授 (30308704)
大井 伸子 岡山大学, 医学部, 助教授 (60155041)
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キーワード | 町内会・自治会 / 都市住民組織 / コミュニティ・リーダー / 都市コミュニティ |
研究概要 |
3カ年にわたる研究の最終年度である本年度は、本研究全体の研究成果のとりまとめの年度でもある。とりまとめに向け、昨年3月に実施した「地域リーダーアンケート調査」(回答総数385、回収率43%)の集計・分析を重点的におこなった。以下は、その調査結果の概要である。 (1)加入率をみると、7割以上の加入率の町内会・自治会は足立区で79%、八王子市では88%というように総じて両自治体とも高く、都市住民組織における伝統的組織のもつ組織力およびその維持力は今回の調査においても確かめられた。組織が維持・継承されているのは、住民相互の親睦や連携、行政との連携にその存在意義を見いだしている回答結果であり、同時に後述する地付きリーダー層の世代継承があきらかにされた。しかし、会員の構成比率をみると、両自治体ともに新住民が6割を占めるなど会員構成に変化がみられる。これに対応するように、役員不足や高齢化・固定化、ルールを守らない住民の増加など組織維持をめぐって問題を抱えている実態があきらかになった。 (2)現代都市の社会変動に伴い新たな地域課題も発生しこれに対応するような取り組みがみられる。その一つの現れが専門部会の設置である。両自治体ともに6割以上の町内会・自治会において設置されているが、とくに足立区では9割に達しつつある。活動内容をみると、地域住民の親睦を筆頭に、防災、清掃・美化、お祭り、交通安全、犯罪、資源リサイクル、集会所管理などが続いている。こうした活動の継承が組織維持に果たす役割が大きい。 (3)行政との関係をみると、事務委託、補助金は両自治体ともに8割を超えており、委託内容では印刷物の配布募金の協力、広報誌の配布、イベントの参加、リサイクルへの協力の事項で高くなっている。また、行政と連携する活動は足立区で8割を超え、八王子市では5割で、そこに大きな違いがみられる。 (4)リーダーである現会長の年齢は、足立区で60歳以上の高齢者が9割以上に達し、一方郊外都市の八王子市では7割すぎずやや若くなっている。しかし、どちらにあっても2〜3代目の地付き層が7割以上を占めていることは注目に値する。このことが組織の継承に果たす役割が大きいことが容易に推測がつく。 以上から、現代日本の都市住民組織における伝統的組織は、都市の社会変動に対応して組織構成と機能の変質・変化を伴いながら組織維持されていることが本調査結果からあきらかになった。
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