研究課題/領域番号 |
10410064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
杉澤 秀博 財団法人 東京都老人総合研究所, 保健社会学部門, 研究員 (60201571)
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研究分担者 |
岡林 秀樹 財団法人, 東京都老人総合研究所・保健社会学部門, 研究員 (90281675)
横山 博子 つくば国際大学, 産業社会学部, 講師 (90220574)
矢富 直美 財団法人, 東京都老人総合研究所・精神医学部門, 研究員 (40133631)
中谷 陽明 日本女子大学, 人間社会学部, 講師 (00198128)
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キーワード | 高齢者 / 私的支援 / 保健福祉サービス / 健康低下 |
研究概要 |
1. 既存のデータの解析: 1)60歳以上の高齢者の全国調査に基づき、保健福祉サービス利用・認知と私的資源の保有状況との関連を分析した。その結果、保健福祉サービスの利用や認知の推進は配偶者あるいは同居子がいないなど私的支援が脆弱であることとあまり強く関連していないことがわかった。私的支援の強弱よりも、高齢者の健康状態などニーズ要因が保健福祉サービスの利用と強く関連していた。2)地域在住の養介護高齢者の介護者に対する分析の結果においても、1)と同様の結果がえられた。すなわち、在宅保健福祉サービスの利用は私的支援が弱いことによって推進されるわけではなく、高齢者の日常生活動作能力や認知能力の低下などニーズの増大が、保健福祉サービスの利用に強く関連していた。 現在、健康状態などのニーズ要因と私的支援との相互作用が保健福祉サービスの利用にどのような効果をもっているかを分析しているところである。 2. 私的資源、家意識、福祉意識に関する測度の開発: 文献や既存の調査の解析および個別ヒアリングに基づいて、福祉意識や家意識が保健福祉サービスの利用とどのような関係にあるか、またその測定尺度に関する検討を行った。その結果、生活保護に象徴されるような、救貧的な福祉の利用に伴う偏見やスティグマは、養介護高齢者やその家族が保健福祉サービスを利用するか否かの決定にあたってはそれほど影響を与えていないことが予想された。他方、子供は親の面倒を見るべきであるという伝統的な扶養規範は、保健福祉サービスの利用と強く関連していることが示唆された。以上をふまえ、現在、家規範を中心に尺度開発を試みている。
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