研究分担者 |
小川 正賢 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (80143139)
羽田 貴史 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (90125790)
山野井 敦徳 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (80019067)
今井 重孝 青山学院大学, 文学部, 教授 (80160026)
小笠原 正明 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (60001343)
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研究概要 |
本研究は,3年間にわたって体系的・組織的に実施され,以下のような成果をおさめた。 1. 所期の目的に沿って,「大学設置基準の大綱化に伴う学士課程カリキュラムの変容と効果」を理論的,実証的研究によって明確にすることに努めた。 2. 本研究は,全国大学教育研究センター等協議会の共同研究として行ったが,その組織的特色を発揮して,全国的なカリキュラム改革の動向と各機関内のカリキュラム改革の動向との統合的アプローチによって主題の解明を追及した。 3. アンケート調査,訪問調査,参与観察,ケーススタディ等の各種の方法を採用し,顕在的カリキュラムと同時に潜在的カリキュラムの把握に努めた。 4. 協議会メンバー校の先行研究を踏まえるとともに,当該研究の関連先行研究において不十分な状態にある総合的研究,国際比較研究を試みた。 5. 1998年度には機関調査研究会,学生調査研究会,コアカリキュラム研究会,外国研究,訪問調査(12大学)などを行った。 6. 1999年度には教員調査及び学生調査(国立16校,私立5校)を実施,外国の大学のカリキュラム研究会,教員組織調査を実施した。 7. 2000年度にはアンケート調査の分析,日本教育社会学会報告,合宿研究会を行った。報告書「大学設置基準の大綱化に伴う学士課程カリキュラムの変容と効果に関する総合的研究」を完成した。 8. 本研究の主たる成果は,旧来の学士課程カリキュラムの特徴である分化・分離の状態を克服し統合するための大綱化以降の学士課程カリキュラム改革の効果が十分に上がっていない事実を理論的・実証的に明らかにしたことにある。具体的には,学士課程のカリキュラム改革の効果が不十分である実態を,(1)理念の確立,(2)カリキュラム編成,(3)教員組織編成,(4)理念の共有,(5)学生への教育意図の伝達と実力の養成,(6)学生と教員の間の距離,等を通じ具体的に解明した。これらの研究成果に基づいて,学生課程改革の見直しと新たな改革の必要性を提言した。
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