• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

盲児童・生徒のグラフィック情報アクセスを高める触覚情報条件の分析

研究課題

研究課題/領域番号 10410077
研究種目

基盤研究(B)

研究機関国立特殊教育総合研究所

研究代表者

志村 洋  国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 室長 (80106153)

研究分担者 金子 健  国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 研究員 (40260020)
渡邊 章  国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部, 室長 (50175080)
キーワード盲児童・生徒 / グラフィック情報 / 知覚発達 / ハプティック知覚 / 範疇情報 / マルチメディア
研究概要

マルチメディア情報としてのグラフィック静止画像を点図化して盲児童・生徒に示す場合に、盲児童・生徒がその点図化されたグラフィック情報を理解するための児童・生徒
の持つ条件と、図の持つ条件とを実験的に検討した。
その結果、児童・生徒の側の条件として、ある程度の知覚発達段階、本研究の発達評価法に従えば、TF型分節で凸図形を知覚できる段階(おおむね盲学校小学校4年生以上)の知覚発達段階に達していることが必要であることが示された。すなわち、点図の同定課題を利用したこの実験では、図のもつ意味を伝える言語による範疇情報の提示が同定の成功率を高めることが確かめられたが、知覚発達段階がTF型分節の知覚段階以前の発達段階にある児童では、図に意味を見出せるほどには図を分節化して知覚していないことがうかがえた。
また図のもつ条件としては、図中に多くの線の交差が含まれる図では、範疇情報の効果が半減することが示された。すなわち図中の物事は重ならないように表現を変える必要が示唆された。また、点図化した漫画を用いた実験では、漫画の吹き出しの文章を読むだけで、その漫画を理解できるものもあった。したがって、今後、図の表現の省略化だけではなく、点図化が必要なグラフィック情報とそれが必要ではないグラフィック情報の間の条件の検討が必要である。
最後に、今年度の研究について、ミネソタ大学のDr.Marie Know Ltonからレビューを受けたが、本研究がどちらかといえば図の読み取りに関するreadabilityの研究であると位置づけたうえで、同時にlegibilityの研究も進める必要があるとの助言を受けた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 志村 洋: "盲児の形の知覚におけるハプティック技能-重なりの理解と範疇情報の効果" 第24回感覚代行シンポジウム予稿集. 79-83 (1998)

  • [文献書誌] 金子 健、菅井裕行: "触る絵本の自作と翻案" 日本発達心理学会第10回大会発表論文集. 389 (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi