研究課題/領域番号 |
10410077
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
志村 洋 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (80106153)
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研究分担者 |
金子 健 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部・盲教育研究室, 研究員 (40260020)
渡邉 章 国立特殊教育総合研究所, 教育工学研究部・特殊教育情報研究室, 室長 (50175080)
岡 典子 福岡教育大学, 教育学部, 講師 (20315021)
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キーワード | 盲児童・生徒 / グラフィック情報 / 知覚発達 / ハプティック知覚 / 範疇情報 / マルチメディア |
研究概要 |
本年度の研究は、1)点図・凸図化が不可欠なグラフィック情報の検討、2)点図・凸図の省略化と範疇情報の詳細性との相互関係の検討、及び3)legibilityの高い点図・凸図に省略化する様式についての検討という3つの目的で、盲学校高等部の生徒を対象に実験を行った。 まず、点図・凸図化が不可欠なグラフィック情報については、動植物や物の形状に関する情報、とくにそれが親近性のない形状の場合に、点図・凸図化が情報伝達に有効であった。次に、図の省略化と範疇情報の詳細性については、人間や動物の表情や動き・動作の情報、またグラフィック情報の中の背景情報は点図・凸図化でかえって盲生徒に混乱を引き起こす可能性があり、省略したほうが望ましいことが示唆された。しかも言語情報が詳細で多いほど、省略化された点図・凸図情報でも盲生徒に理解されやすいことが明らかになった。最後に、点図・凸図の作成条件としてのlegibilityについては、人間や植物並びに乗り物は静止した正面図が最も盲生徒に理解されやすいことが明らかになったが、動物や建造物は側面図の方が理解されやすい傾向にあった。しかしこの点については付加的な言語情報との関連をさらに調べる必要がある。
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