研究課題/領域番号 |
10410080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎原 雅治 東京大学, 史料編纂所, 助教授 (40160379)
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研究分担者 |
前川 祐一郎 東京大学, 史料編さん所, 助手 (00292798)
及川 亘 東京大学, 史料編さん所, 助手 (70282530)
久留島 典子 東京大学, 史料編さん所, 教授 (70143534)
中島 圭一 慶應義塾大学, 文学部, 助教授 (50251476)
村井 祐樹 東京大学, 史料編さん所, 助手 (20323660)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 中世 / 村落 / 宮座 / 畿内 / 近江 / 山城 / 大和 |
研究概要 |
本研究によって写真収集した史料を、従来から東京大学史料編纂所に集積されていたものとあわせると、畿内地域に現存する村落関係史料のうちの大半を把握することができたことになる。これによって、村落関係史料を史料学的に分析するための基礎条件がようやく整えられたといえる。 本研究で収集した史料について、その伝来主体と、各史料群の構成要素の相関関係について考察すると、以下のようになる。 村落関係の史料群は、伝来主体によって(1)個人所有文書、(2)村有文書、(3)神社文書、(4)寺院文書に大別できる。それぞれの史料群を構成する要素をみると、(1)は、大名発給文書からなる史料群と、土地売券、寄進状、土地台帳、年貢関係帳簿などからなる史料群に明瞭に分けられることが判明した。これは国人層であるが、地侍層であるかという伝来主体の階層の違いを反映していると見られる。(2)は売券や年貢関係帳簿からなり、地侍伝来文書と近い性格を持つ。また(3)は荘郷鎮守系のものと村鎮守系のものに分けられるが、中世に遡る祭礼記録をもつものは前者に限られる。 以上のように、史料群の伝来主体と構成要素の相関関係について一定の見通しをつけることができたことによって、村落関係史料群を分析していくうえでの基礎的な視角を提供できたといえる。
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