研究課題/領域番号 |
10410085
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研究機関 | 相愛大学 |
研究代表者 |
山本 幸男 相愛大学, 人文学部, 教授 (50220504)
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研究分担者 |
宮崎 健司 大谷大学, 短期大学部, 助教授 (50239381)
森 明彦 関西福祉科学大学, 助教授 (90231638)
栄原 永遠男 大阪市立大学, 文学部, 教授 (80102979)
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キーワード | 正倉院文書 / 写経所 / 帳簿 / 古文書学 / 奈良仏教 / 東大寺 |
研究概要 |
1.昨年度は、山本・栄原が正集と続々修、森・宮崎が続修と続々修にそれぞれ収載される帳簿の内容を検討し、紙焼写責を観察して復原を試みたが、今年度は、山本・栄原が続修後集と続々集、森・宮崎が続修別集と続々修に収載される帳簿を昨年度と同様の手法を用いて考察し、復原を試みた。また、東京大学史料編纂所編纂『正倉院文書目録』4(続修別集)が刊行されたため、続修別集に収載される帳簿の復原結果が妥当であるかどうかの検証作業も同時に行った。 2.今年度は、山本・栄原・森・宮崎が主催する写経所文書研究会を2回実施した。まず、1999年5月22日に森が「宝亀年間東大寺写経所の一切経書写事業」と題して発表し、先行研究を踏まえて、先一切経の帙構成のあり方とそこに含まれる注大品経の意味、十部一切経書写に先行する先一切経書写の目的などに考察を加えた。次いで、2000年3月24日に宮崎が「奈良時代の経典目録について」と題して発表し、年次不明とされる経典目録の断簡の整理検討を通して、当時の日本に伝来していた経典の様相について考察を加えた。 3.1999年11月19日、山本は東京大学史料編纂所に出張し、「寧楽正倉院続修成巻文書目録」「続々修正倉院古文書目録」などを実見した。昨年度に続いて、続々修に編成される以前の帳簿の状態を調査したが、紙焼写真に見える2種類の付箋の持つ意味の解明が復原研究にとって重要であるとの認識を強くした。この他、編纂所が所蔵する正倉院関係の文献・史料(多くはマイクロフィルムの紙焼写真)の目録作りも試みた。
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