研究課題/領域番号 |
10410090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
芝井 敬司 関西大学, 文学部, 教授 (00144311)
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研究分担者 |
岡本 明 広島大学, 文学部, 教授 (90025057)
南 直人 大阪国際女子大学, 人間科学部, 助教授 (20181951)
森原 隆 金沢大学, 文学部, 助教授 (70183663)
桜田 美津夫 就実女子大学, 文学部, 助教授 (80205822)
小山 哲 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (80215425)
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キーワード | 西洋近代 / 情報伝達 / 情報政策 / 宣伝 / 情報網 |
研究概要 |
本研究の初年度に相当する平成10年度の研究実績については、研究分担者、研究集会、研究発表の3つのレベルに分けて記すことができる。研究分担者のレベルでは、各自が分担するテーマに関する研究を進めたが、その成果に関しては別記の研究発表に表れている。研究集会については、第1回(7月25日、京都)、第2回(11月28日、京都)、および第3回(2月26日〜27日、広島)の3回の研究集会を行った。そして、第1回では、「研究計画とその目的」(芝井)と「近世ポーランドにおける情報伝達」(小山)、第2回では「オランダ共和国におけるユダヤ人の問題」(桜田)と「18世紀フランスの情報伝達について-『ガゼット』改革をめぐって-」 (森原)、第3回では「19世紀フランスの情報伝達」(岡本)と「19世紀ドイツの食品産業」(南)の研究発表を得て、活発な質疑応答を行った。小山報告は、グーテンベルクの世界が近代初期の東方辺境においていかなる展開を見せたかを丹念に追求したものであって、この時期の出版、情報、世論のありかたに比較史的な示唆を与えた。また、桜田報告は、17世紀を中心とするオランダのポルトガル系ユダヤ人の国際性に注目したものであって、人の移動と交流を「情報伝達」という観点から見つめ直したものである。森原報告は、18世紀フランスのジャーナリズム形成を論じたものだが、西洋近代の情報社会の形成という観点からは、その成立期の事情を明確にする報告であった。岡本、南両報告は19世紀における情報社会の進展を個別テーマに検証するものであって、いずれも研究課題の解明のための基礎作業となっている。また研究発表された論文等の成果については、別記のとおりである。
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