• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

西洋近代における情報伝達に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10410090
研究機関関西大学

研究代表者

芝井 敬司  関西大学, 文学部, 教授 (00144311)

研究分担者 永田 諒一  岡山大学, 文学部, 教授 (30116488)
岡本 明  広島大学, 文学部, 教授 (90025057)
中山 昭吉  京都産業大学, 外国語学部, 教授 (60065753)
南 直人  大阪国際女子大学, 人間科学部, 助教授 (20181951)
小山 哲  京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (80215425)
キーワードヨーロッパ / 近代 / 情報伝達 / 情報政策 / 宣伝 / 情報網
研究概要

本研究の最終年度にあたる平成12年度には、通算で第6回となる研究集会を、7月22-23日に高松で行った。この第6回の個人研究発表のテーマは、「十月革命とポーランド人共同体のネットワーク」(中山昭吉)と「食情報の伝達媒体としての料理本」(南直人)であった。中山は、ロシア十月革命の前夜に、当時ロシアへの併合によって国内の最大少数民族になっていたポーランド人が、ロシアにおける革命的情勢を積極的に作り出し、革命勢力において不可欠の支持勢力となっていたことを明らかにした。そして、このような活動を可能にしたのは、ポーランド語新聞の発行とそれを用いたプロパガンダによっていることを、豊富な事例とともに示した。また南は、食生活史研究において有力な可能性を持つ料理本を取り上げ、そこには、調理技術、栄養知識、食習慣などの種々の食情報が盛り込まれており、とくに19世紀以降、近代の市民生活を形成する上で、重要な役割を果たしたと報告した。ともに重要な知見を含んだ興味深いもので、本研究の取りまとめとして刊行された「研究成果報告書」に、その大要が収録されている。
上記の研究打ち合せ会では、分担テーマについて、研究報告の概要を持ち寄り検討した。分担テーマによる研究の詳細は、研究成果報告書に譲るとして、全体としては、所期の目的であったヨーロッパ近代における情報伝達についての総合的な検討作業が達成された。ヨーロッパにおける情報伝達は、近代のグーテンベルクの印刷術に始まり、17・18世紀における定期刊行物の成立と発展、およびそれに伴う読み手の大衆化によって飛躍的に拡大した。しかし一方で、19・20世紀に入ると、こうした公式の情報伝達とは異なる伝達手段も意味を持った。本研究はこうした流れを明らかにするとともに、時代や場所で異なる独自性や情報伝達の多様性をも、示すことができた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 岡本明: "ナポレオン支配下のヴェストファーレン王国"服部春彦,谷川稔 編『フランス史からの問い』、山川出版. 199-221 (2000)

  • [文献書誌] 小山哲: "ヘンリク・ヴァレジィ体験"中山昭吉,松川克彦 編『ヨーロッパ史研究の新地平』昭和堂. 26-56 (2000)

  • [文献書誌] 小山哲: "サルマチア-ヨーロッパにおけるポーランドのトポス-"洛北史学. 2号. 16-39 (2000)

  • [文献書誌] 桜田美津夫: "セファルディムとアシュケナジム"日蘭学会会誌. 25巻第1号. 1-17 (2000)

  • [文献書誌] 永田諒一: "宗教改革期における都市民の教派選択"ルターと宗教改革. 2号. 37-57 (2000)

  • [文献書誌] 南直人: "近代ヨーロッパにおける庶民の食事"『VESTA』. 40号. 46-52 (2000)

  • [文献書誌] 永田諒一: "ドイツ近世の社会と教会"ミネルヴァ書房. 349 (2000)

  • [文献書誌] 中山昭吉,松川克彦 編: "ヨーロッパ史研究の新地平"昭和堂. 367 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi