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1998 年度 実績報告書

英国近現代文写文化における演劇表象の変遷と交流

研究課題

研究課題/領域番号 10410101
研究機関東京大学

研究代表者

大橋 洋一  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (20126014)

研究分担者 HUGHES Georg  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 外国人教師
高橋 和久  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10108102)
富士川 義之  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (20083264)
キーワード英文学史 / 英国近代文化 / 英国現代文化 / 英国現代文化 / 演劇史 / 劇場史 / シェイクスピア / 表象
研究概要

現有のコンピューターに「イギリス詩劇全データーベース」などのCD-ROMデーターベースを読み込み、主要な劇作家(とりわけ英国近現代文化への影響が顕著なシェイクスピア)の作品から、演劇そのものに言及する用例を拾い出し、演劇概念の基本型を確定する作業を現在行っている。この作業は、初年度において完了する予定であったが、この作業の成果が、のちの解析を大きく左右するため慎重に行うべき旨、研究分担者間で合意に達し、基本型の確定と、個別分野の調査と解析を平行することになった。個別分野の調査と解析では、演劇表象の分類整理と、演劇表象の歴史的変遷の調査を今年度は優先し、この過程でCD-ROMの読み込みのみならず、各種マイクロフィルムからもデータをプリントアウトし、それを最終的にコンピューターに入力し、基本となる電子資料作成をめざした。ただし膨大な作品を対象とするためこの作業も次年度へ継続。こうして得られた資料は、まだ部分的なものであるが、それらを対象とした解析の結果、シェイクスピア作品ならびに作品から想定される劇作家像が、死後50年以降脚光を浴び、18世紀から19世紀にかけて神格化されるにつれ、シェイクスピア自身が属していた伝統における演劇観が変質し、かわりにスペクタクル性を重視する演劇観が誕生し、それが演劇分野以外の文芸分野(詩、小説など)や、さまざまな文化領域(美術、音楽など)へと伝えられたことが判明した。この変化は演劇そのものから政治的機能を奪い、変わりに美的機能を付与することによって、演劇そのものを特定の政治的社会的空間から分離し、自立的存在としたが、この変化によって演劇が新たな文化的機能(植民地における教育機能も含む)を樹立したとも考えられ、この仮説を検証すべく英国ロマン派における芸術・文学観の変容、ならびに英国小説における演劇表象の調査を行っている。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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