研究課題/領域番号 |
10410104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
井上 修一 筑波大学, 文芸言語学系, 教授 (10017634)
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研究分担者 |
濱田 真 筑波大学, 現代語現代文化学系, 講師 (50250999)
武井 隆道 筑波大学, 現代語現代文化学系, 助教授 (10197254)
上田 浩二 筑波大学, 現代語現代文化学系, 教授 (30063796)
相沢 啓一 筑波大学, 文芸言語学系, 助教授 (80175710)
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キーワード | アイデンティティ / ナショナリズム / ネーション / フォルク / ドイツ文学 / 帰属意識 |
研究概要 |
第一年目は、私たちのテーマである「帰属意識」や「アイデンティティ」、そしてとりわけ「ナショナル・アイデンティティ」をめぐる研究が、文学研究、およびそれ以外の政治学、歴史学等の各分野でどのような状況にあるかに関し、それぞれの研究員が個別検討を行った。その中で、第一回の一泊二日の集中討議を1998年6月30日に行って問題の所在を確認した。またドイツからミュラー・ディエス教授を迎えて第二回の研究会を同10月7日に開き、テキスト解釈の立場と情報交換した。さらに、この一年間の各自の研究成果を持ち寄って第三回研究会を1999年3月9日に開き、より具体的にドイツにおけるネーションおよびフォルクの概念形成とその展開を言語論との関連で論じ、ヘルダーおよびフランス革命を中心とする研究発表が行う。これらの研究活動を通じて、ドイツ固有の文脈における「民族」の問題と、フランス革命以降のヨーロッパが生み出した民主主義と結びついた普遍的な国民概念との接点に、ネーションという概念が19世紀以降の世界全体で担うことになる重大な意味とその問題性を見出すことができるであろうことを、未だ萌芽的ではあるが確認することができた。全体として、本年は基礎文献を収集し問題意識を深めるという意味での準備期間的色彩が強かったため、未だまとまった形での研究成果は提示する段階にない。次年度は共同討議の場を増やし、成果を具体的な形にしていくことを目標としたい。
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