90年代ロシアにおけるポストモダニズム文芸の総合的研究

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10410107
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 望月 哲男 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
• 研究分担者: 亀山 郁夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00122359) ; 貝澤 哉 早稲田大学, 文学部, 助教授 (30247267) ; 浦 雅春 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20193956) ; 沼野 充義 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (40180690) ; 井桁 貞義 早稲田大学, 文学部, 教授 (70063807)
• キーワード: ロシア / ポストモダニズム / 現代文化

研究概要

1.研究会活動: 現代ロシアの文芸事象(文学作品、演劇、評論など)を、様式やジャンル意識、テーマ設定の特徴等の観点から分析。対象とした事象はD.ガルコフスキー『果てしない袋小路』等15件。
2.国内での報告等:
1)ソ連社会の比較文化研究の一環として、『20世紀ロシア文学と身体』のテーマで、北大スラブ研究センターシンポジウムの1セッションを開催(99.1.29)。
2)日本ロシア文学会(98,10.23)におけるワークショップ『現代ロシア文学研究・紹介の現状と問題点』で報告(沼野、望月、井桁、亀山)。
3)東京外国語大学シンポジウム『ロシアの真空』(98.11.6)においてロシア・ポストモダニズムに関する報告(沼野、望月)。
3.国外での活動:
1)現代におけるドストエフスキー文学の意義研究の主旨で、国際ドストエフスキー学会(ニューヨーク、98.7.24-8.1)において「『おとなしい女』における時間意識」について報告(望月)。
2)モスクワ・カザンで現代ロシア思想・宇宙論に関するレビューを受ける(亀山、99.3.2-3.11)。
4.成果の公開など:
1) 『現代ロシア文学作品データベース』(70件)を、北大スラブ研究センターホームページに掲載。
2)研究会およびシンポジウムの報告の一部を、北大スラブ研究センター研究報告シリーズの1巻として発表予定(99.4月予定)。

研究成果

• [文献書誌] 望月哲男: "ロシア世紀末の自画像7:アネクドートと新ロシア人" 『しゃりばり』. No.4. 25-31 (1998)
• [文献書誌] 望月哲男: "ロシア世紀末の自画像8:ドストエフスキーと現代" 『しゃりばり』. No.5. 29-35 (1998)
• [文献書誌] 望月哲男: "ロシア世紀末の自画像9:ボリスとグレープ" 『しゃりばり』. No.6. 41-47 (1998)
• [文献書誌] 望月哲男: "現代文学におけるロシア論--『空虚なロシア』のイメージをめぐって--" 『スラブ・ユーラシアの変動--自存と共存の条件--』北大スラブ研究センター. 15-25 (1998)
• [文献書誌] 浦雅春: "「帝国」の崩壊と文学" 現代ロシア文化における民族主義(東京大学). 62-77 (1998)
• [文献書誌] 貝澤哉: "引き裂かれた祝祭:バフチンのカーニヴァルにおける無意識、時間、存在" 批評空間. No.14. 90-108 (1998)
• [文献書誌] 貝澤哉: "複数制の帝国--20世紀初期ロシア思想における複数制の理論" 批評空間. No.18(近刊). (1999)
• [文献書誌] 貝澤哉: "ボリス・グロイスに聞く全体芸術とロシア" 批評空間. No.20. 124-133 (1999)
• [文献書誌] 亀山郁夫: "恐怖という詩神--マンデリシタームのスターリン唱歌" 思想. No.2. 28-55 (1999)
• [文献書誌] 亀山郁夫: "20世紀ロシア文化の身体" 旧ソ連・東欧諸国の文化的自意識をめぐって(北大スラブ研究センター). (予定). (1999)
• [文献書誌] 西中村浩: "ロシア・コスミズムと現代" 旧ソ連・東欧諸国の文化的自意識をめぐって. (予定). (1999)
• [文献書誌] V・ソローキン(望月哲男訳): "ロマンI・II" 国書刊行会, 417+375 (1998)
• [文献書誌] 亀山郁夫: "破滅のマヤコフスキー" 筑摩書房, 345 (1998)
• [文献書誌] V・ソローキン(亀山郁夫訳): "愛" 国書刊行会, 298 (1999)
• [文献書誌] S・レム(沼野充義他訳): "虚数" 国書刊行会, 345 (1998)