90年代ロシアにおけるポストモダニズム文芸の総合的研究

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10410107
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 望月 哲男 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (90166330)
• 研究分担者: 沼野 充義 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (40180690) ; 宇佐見 森吉 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (20203507) ; 井桁 貞義 早稲田大学, 文学部, 教授 (70063807) ; 亀山 郁夫 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00122359) ; 貝澤 哉 早稲田大学, 文学部, 助教授 (30247267)
• キーワード: ロシア / ポストモダニズム / 現代文化

研究概要

1)現代ロシア・ポストモダニズムの代表的な作家について、その創作姿勢や世界観の特徴を分析した。
2)代表的なポストモダニズム文芸作品や現象の特徴と意味について、他の地域の文芸と比較しながら分析した。
3)ポストモダニズムによる文化史解釈や文明論の特徴・意味・役割を分析した。
4)ロシア・ポストモダニズム文化の発生・起源と、ロシア・ソ連文化史の中での位置づけについて分析した。
5)古典のもじり、歴史イメージの改編、新しい語彙や文体の組み合わせなど、ポストモダニズム文芸の一般的特徴とロシアにおけるその具体的現れを研究した。
6)国際シンポジウム『ロシア文化:新世紀の戸口に立って』を行い、現代ロシア文化の特徴を多角的な観点から研究すると同時に、ロシアを含めた世界各国の学者・文化人による現代ロシア文化観を比較検討した。
7)上記の研究の成果を、『現代ロシア文化』(望月他著、国書刊行会)、『現代文芸研究のフロンティア(II)』(望月編、北大スラブ研究センター)、『現代ロシア文学作品データベース』(http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/literature/literature-list.html),『Modern Russian Writers』(http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/Writer/windex-e.html)などに発表した。

研究成果

• [文献書誌] 望月哲男: "ドストエフスキーのいる現代ロシア文学"現代文芸研究のフロンティア(II). 132-198 (2001)
• [文献書誌] Tetsuo Mochizuki: "The Pendulum is Swinging Insensibly and Disgustingly"Dostoeusky studies. New Series IV. 71-82 (2000)
• [文献書誌] 望月哲男: "ウラジーミル・ソローキン『青脂』"現代文芸研究のフロンティア(I). 32-40 (2000)
• [文献書誌] 望月哲男: "ヴィクトル・ペレーヴィン「ジェネレーションP」"現代文芸研究のフロンティア(I). 68-76 (2000)
• [文献書誌] 望月哲男: "ウラジーミル・マカーニン「アンダーグラウンドあるいは現代の英雄」"現代文芸研究のフロンティア(I). 111-118 (2000)
• [文献書誌] Tetsuo Mochimlci: "Играя со слов〓мц классики(古典のパロディ<ロシア語>)"Русскае куАьтула на лороге нового века(スラブ研究センター). 159-177 (2001)
• [文献書誌] 望月哲男: "空虚とポストモダン文芸:ペレーヴィンの作品を中心に"望月,沼野,亀山,井桁 他著『現代ロシア文化』(国書刊行会). 301-330 (2000)
• [文献書誌] Tetsuo Mochizuki: "Postmodernison in Russian Prose Litersture of the Nineties"B.Henn, A.Kreisel, D.Steinneg (eds.) Das Eigene und Das Frende in der russischen Kuffur (Germany, Bochum). 63-96 (2000)
• [文献書誌] 井桁貞義: "インターネットとロシア現代文学:近代文化制度批判序説"望月,沼野,亀山,井桁 他著『現代ロシア文化』. 397-419 (2000)
• [文献書誌] 宇佐見森吉: "非公式詩の時代1950年代ロシアの独立文化"望月,沼野,亀山,井桁 他著『現代ロシア文化』. 249-272 (2000)
• [文献書誌] 宇佐見森吉: "パトスの音楽-パステルナーク『ドクトル・ジヴァゴ』"週刊朝日百科世界の文学. 78. 228-231 (2001)
• [文献書誌] 浦雅春: "ことば化される身体-スタニスラフスキ-とスターリン文化"表象のディスクール(小林康夫,松浦寿輝 編). 109-132 (2000)
• [文献書誌] 浦雅春: "中心の喪失と世界の解体-チェーホフの文学"木村彰一訳『たいくつな話・浮気な女』(講談社文芸文庫). 281-294 (2000)
• [文献書誌] 貝澤哉: "ロシア文化史の新しい見方-エトキンド・グロイスを中心に"望月 他『現代ロシア文化』(図書刊行会). 17-36 (2000)
• [文献書誌] 貝澤哉: "文学史と「民族/国民」の理念-ロシアの場合"沼野充義編『とどまる力と越えゆく流れ』. 43-56 (2000)
• [文献書誌] 貝澤哉: "ポストモダニズムのディスクールにみるロシア文化史の読み換え"ロシア文化研究. 8(予定). (2001)
• [文献書誌] 亀山郁夫: "デコールとリアリズムの間-ソローキンと切断の美学"望月 他『現代ロシア文化』. 361-396 (2000)
• [文献書誌] 沼野充義: "ロシア文学の境界"望月 他『現代ロシア文化』. 37-77 (2000)
• [文献書誌] 沼野充義: "あなたは花や葉に満ちた枝のように:ユーリィ・オレーシャの比喩と人生"「テクスト」(表象のディスクール). 2. 73-100 (2000)
• [文献書誌] 沼野充義: "Tyukan-syasetsu : Peleviw, Akunin i Murdkami uspeshno zapolnyayut lakunu(日露中間小説論)"Exlibris (Moscow). Dec.7. 3-3 (2000)
• [文献書誌] 沼野充義: "十年後のドヴラートフ"セルゲイ・ドヴラートフ『かばん』(成文社). 207-221 (2000)
• [文献書誌] 望月哲男,沼野充義,亀山郁夫,井桁貞義: "現代ロシア文化"国書刊行会. 433 (2000)
• [文献書誌] 望月哲男(編): "現代文芸研究のフロンティア(II)"北大スラブ研究センター. 198 (2001)
• [文献書誌] 望月哲男(編): "現代文芸研究のフロンティア(I)"北大スラブ研究センター. 118 (2000)
• [文献書誌] Tetsuo Mochizulei (ed): "Русскае куАьтула на лороге нового века(新世紀の戸口に立つロシア)"北大スラブ研究センター. 303 (2001)
• [文献書誌] 浦雅春(編): "週刊朝日百科、世界の文学63"朝日新聞社. 20 (2000)
• [文献書誌] 沼野充義(編者): "とどまる力と越えゆく流れ"東大人文社会系大学院多分野交流室. 218 (2000)
• [文献書誌] 沼野充義(諌早嘉-他と共訳): "ウラジーミル・ナボコフ『ナボコフ短編全集I』"作品社. 508 (2000)