研究分担者 |
呉人 恵 富山大学, 人文学部, 助教授 (90223106)
大島 稔 小樽商科大学, 言語センター, 教授 (00142787)
佐藤 知己 北海道大学, 文学部, 助教授 (40231344)
渡辺 己 香川大学, 経済学部, 助教授 (30304570)
風間 伸次郎 東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (50243374)
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研究概要 |
1.研究会議の開催:昨年度同様,今年度も全員が集う形での研究会議を2回実施した。第1回は7月に札幌で開催。5名の分担者(佐藤,池上,風間,呉人徳,渡辺)と2名の協力者からの研究報告をもとに討論を行った。特に言語情報学の専門家を協力者として招き,音声データベースに関するレクチャーを受けたことはきわめて有益であった。また「使役」をテーマに3件の報告をまとめたことにより,類型論的に焦点をしぼった議論が展開できた。次いで11月に東京で第2回目を開催。分担者5名(堀,永井,宮岡,風間,池上)の研究報告に加えて,2名の協力者からの報告を受けた。音声データベース構築にかかわる情報交換をはじめ,新たに発足した特定領域研究A(環太平洋の「消滅に瀕した言語」にかんする緊急調査研究)との連携についても活発な議論が展開された。 2.音声データベース作成のための作業:昨年度からの活動の中で,各自がこれまで蓄積してきた音声データを将来の公開をも見据えたうえで整理・複製・デジタル化していくことが確認された。その方針を受けて,各分担者が音声データを含むフィールドデータの整理作業を,謝金や消耗品費を活用しながら進めた。 3.来年度への展望:フィールドで採集された音声資料はこれまで各研究者独自の整理・保管・利用形態にまかされてきた面が大きいが,上述のように将来の公開・共同利用を見据えて各自で一定の見直し作業が進められている。来年度はこれを受けて,各分担者が有する音声資料のリスト作成にまでもっていく予定である。またこれまでの研究報告や討論をとおして,北方諸言語の多様性と類型的共通性および言語変容の問題についての認識がいっそう深められた。これを踏まえて,来年度も2度の研究会を継続するいっぽう,最終年度の重要課題として報告書刊行をめざす。
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