研究課題/領域番号 |
10420003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
公法学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
畠山 武道 北海道大学, 法学部, 教授 (40062666)
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研究分担者 |
鈴木 光 北海道学園大学, 法学部, 講師
亘理 格 北海道大学, 法学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 地方分権 / 政策評価 / 費用便益分析 / 廃棄物処理 / 時のアセスメント |
研究概要 |
本研究では、近時の地方分権の推進の動向をふまえ、地方自治体の当面する問題について、財政問題、事業評価、環境政策(廃棄物問題)という3本の柱をたて、研究会、関係官庁における資料収集、自治体関係者へのインタビューなどを実施した。 まず、財政問題では、公共事業を休廃止した場合の財政的処理、第三セクターの赤字処理問題などを検討した。事業評価については、建設省の公共事業見直しについて資料を集中的に収集し、評価手法・評価手続・情報公開などを詳細に検討した。その結果、全国各地で、公共事業評価監視委員会等を設置し事業評価がされたが、事業中止はごくわずかであり、事業主が事業継続を主張している事例について事業中止が決定されたものは皆無であったことが判明した。短期間に大量の事業を評価する現在の評価システムでは、とくに継続中の事業を中止するのは極めて難しい。したがって、評価手続は、当面は住民への情報公開的な役割に限られる。また、事業評価手続と環境アセスメントは、形式が類似するが、環境アセスメントは環境影響が検討されるだけで、結局、事業全体の評価に及ばないことから、環境アセスメントのみによって事業を中止とすることが困難であるなどの知見が得られた。 つぎに廃棄物処理法の改正により地方自治体の地位役割がどの程度強化されたのかを、詳細に検討し、さらに現在紛争が係争中の地域に対する実態調査を実施した。その結果、指導要綱などの効力は弱まったものの、都道府県に生活環境影響調査の結果を斟酌して申請を拒否する権限が与えられたことで、自治体の裁量権が大幅に拡大し、事業者の申請に対するより強い指導が可能になった事実が指摘された。また、専門家による蕃議会も、一応の効果をあげている。
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