研究課題/領域番号 |
10420009
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
厚谷 襄児 帝京大学, 法学部, 教授 (90222637)
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研究分担者 |
稗貫 俊文 北海道大学, 法学部, 教授 (70113610)
向田 直範 北海学園大学, 法学部, 教授 (90104695)
古城 誠 上智大学, 法学部, 教授 (80013027)
松村 良之 北海道大学, 法学部, 教授 (80091502)
林田 清明 北海道大学, 法学部, 教授 (50145356)
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キーワード | 独占禁止法 / カルテル / 談合 / 損害賠償責任 / 課徴金 / 刑事罰 / 私的差止請求 / 排除措置 |
研究概要 |
今日、独占禁止法違反の抑止のためには、行政的規制のほかに多様な規制手法が必要であり、次年度から新たな規制手法として、私的差止請求制度が導入される。問題は、これらの規制手法をいかに組み合わせるかということであり、そのモデルの作成・分析を試みている。そこで、検討されたのは、わが国の独占禁止法の行政的規制手法である課徴金制度であり、その運用を通じての法的問題点を摘出し、さらに、アメリカ,EUにおける金銭的規制手法の近年の動向を検討し、これらでの手法の有効性とその限界を探った。また、金銭ペナルティと差し止めについての公的エンフォースメントと私的エンフォースメントの組み合わせの比較を探求した。その上、近年、独占禁止法違反した企業に対し、アンケートにより、現在の規制手法の実態を調査した。私人間の争訟における独占禁止法違反が争点となっている。それは、信義則、権利の濫用、公序、損害賠償請求、不当利得、株主代表訴訟などである。このため、独占禁止法に係る民事判決の分析を通じ行政的規制と民事的規制の分離とその競合を明らかにするための検討した。また、民事的規制手法として、私人による違反差止命令について、その有効性と限界、さらに他の規制手法との関連を検討した。次いで、組織体逸脱理論モデルの構築ために、公正取引委員会の資料を収集し、違反事件の統計の分析、類型化等の実証的研究にあわせてミクロ経済学的分析、社会心理学的分析を通して個人に対する制裁の重要性を確認し、それへの実証的研究のリサーチデザインのフィージビリティを検討した。さらに、不当な取引制限(カルテル・談合)の抑止効果を挙げるためには、組織体(企業)より個人への刑事罰の有効性を検討した。
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