研究課題/領域番号 |
10420011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
斉藤 豊治 甲南大学, 法学部, 教授 (00068131)
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研究分担者 |
土井 政和 九州大学, 法学部, 教授 (30188841)
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
西村 春夫 国士館大学, 法学部, 教授 (60228228)
足立 昌勝 関東学院大学, 法学部, 教授 (70022267)
西田 英一 甲南大学, 法学部, 助教授 (50279668)
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キーワード | 震災 / 阪神・淡路大震災 / 犯罪 / 防犯活動 / 住民 / 自質団 / 災害 / 環境犯罪学 |
研究概要 |
阪神大震災後の犯罪問題について、平成10年度に以下の研究を行い、大要次のことが明らかとなった。1. 公官庁の資料の収集につとめ、兵庫県警の犯罪統計および震災後の記録、神戸市の消費者センターにおける震災後の悪質商法に関するデータなどを収集することができた。今後さらに警察庁及びび兵庫県警の協力により警察署別を含む詳細な統計の提供を受ける予定である。また、震災便乗の悪質商法に関し、行政側のヒアリングを進める予定である。警察の統計や試行的にに行った住民アンケートから、阪神大震災後には、和罪問題は一般に理解されているように、深刻な事態には至らなかったことが明らかになった。統計的には、震災時には自転車やオートバイの盗難を除けば、震災のあった平成7年には被災地の犯罪は減少している。今後、このことの理由等について住民の意識調査などによって明らかにしたい。 2. 我々の調査から、震災直後に住民の間で人命救助や食糧の確保などとともに、パトロール、立ち番など自主的な防犯活動が活発に展開されたことが明らかとなった。こうした住民の防犯活動について実情を把握すべく、神戸市長田区のある自治会の関係者から聞き取り調査をした。現在この結果に基づいて、神戸市内の各地の自治会が行った防犯活動に関するアンケート調査を準備中であり、近く実施の予定である。当初は、平成10年度中に大双模な住民調査を予定していたが、検討の結果、自治会調査と住民調査に分けて、平成11年度にこれらの社会調査を実施することにした。 3. 関東大震災後の犯罪問題に関する資料の検討を行った。関東大震災後の犯罪問題の中心は、官民による朝鮮人の大量殺害であり、その他の犯罪は統計上むしろ大幅に減少していた。震災などの後には、犯罪が多発するというのが常識となっているが、関東大震災後でさえ、通常の犯罪は減少していた。激発したのは在日朝鮮人に対する流言や社会的偏見・憎悪と結びついた大量殺害であった。
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