研究課題
基盤研究(B)
本年度は、科学研究費補助金の交付決定が正式に通知されたのが12月16日という時期であったため、本共同研究の趣旨に合到した研究環境を速やかに整備することに各人が努めた。通信ネットワークおよびグループウェアの構築・利用の経験のある筒井が、本研究の組織全体の通信基盤および技術講習を行い、その結果、メーリングリストを用いた情報の相互交換が可能となるなど、共同研究参加者全員が一定レベルのネットワークスキルを確保できるように努めた。他方、研究面においては、2度にわたって研究会を組織し、問題意識のすりあわせと研究水準の向上を図った。その際、とりわけドイツにおける政権交代に象徴されるように、欧州において社会的公正という基本価値が再確認されているものの、旧態依然たる福祉国家体制という選択肢はもはや存在せず、そのなかで苦闘している欧州各国の現状について意見が交換された。研究会を通じて、(1)本共同研究参加者が本来専門としているドイツ政治に関して、より包括的な資料収集が要求されること、(2)しかし研究の視座をドイツに限ることなく、広く欧州の問題に積極的に取り組む必要があることが共通認識として確立された。また、欧州諸国の専門家との情報交換や議論を行うための基礎作業も進め、通信ネットワークの利用可能な研究者や大学を検索した。
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