研究課題/領域番号 |
10420015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
飯田 芳弘 学習院大学, 法学部, 助教授 (40232128)
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研究分担者 |
中北 浩爾 大阪市立大学, 法学部, 助教授 (30272412)
空井 護 東北大学, 法学部, 助教授 (10242067)
中山 洋平 東京大学, 法学部, 助教授 (90242065)
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キーワード | 政党 / 国家-社会関係 / 高度経済成長 / 政治経済体制 |
研究概要 |
平成10年度は、本研究の3年間の研究期間の初年度であった。今年度の研究課題は、本研究計画への参加者が各自の研究対象国への先行研究と網羅的に検討し、それをふまえて、「政治経済体制の統合拠点の位置」という観点から、日本とヨーロッパ諸国を類型化し、各国の特徴がけを行うことであった。各国の位置づけそのものに関しては、当初の仮説を大きくつき崩す結果は生じなかったが、この作業を通じて、次のような具体的な研究の方向性が明確になったことは有益であった。それは研究参加者の共通認識であり、次年度に予定されている本研究の中心的課題である。歴史過程の分析につながる成果であった。第1に、体制統合拠点としての政党は、国家や社会(国体)との関係を個別・静能的に定位させて考えるのではなく、国家-社会関係の変容(国家による社会の嚮尊機能の弱化と社会から国家への意思表出の強化)と関連づけて分析する必要があること。第2に、その国家-社会関係の変容が生じた時期は各国ごとに異なるが、特に焦点となるのは高度経済成長期であること。第3に、その変容の様態は、各政策領域においても異なるが、政党の拡充にとって重要な領域に注目するだけでなく、諸政策領域を統合する政治的機能を政党がいかに果たしえたか(果たしえなかったか)に注目する必要があること。これらの点を前提に、高度経済成長が各国の政治社会に引き起こした諸変化を改めて検討し、その諸変化に対して、各国の主要政党が組織と政策の上でいかに対応し、いかなる自己変革を遂げていったか、という問題に、次年度の研究課題の中心が据えられることになった。
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