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1999 年度 実績報告書

情報化社会におけるガバナンスの経済理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10430003
研究機関東京大学

研究代表者

藤原 正寛  東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40114988)

研究分担者 瀧澤 弘和  東洋大学, 経済学部, 講師 (80297720)
石原 秀彦  専修大学, 経済学部, 講師 (20292857)
池田 信夫  国際大学, グローバル・コミュニケーションセンター, 助教授 (00308561)
柳川 範之  東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80255588)
堀 宣昭  九州大学, 経済学部, 助教師 (50304720)
キーワードモジュール化 / オープン化 / バンドリング / 'fragile system' / 標準化 / カプセル化 / アーキテクチャー
研究概要

昨年度に引き続きインターネットに代表される近年の情報化の進展が、資源配分や経済取引のガバナンスにどのような影響を与えつつあるのか、近年発展してきた経済理論の手法(情報の経済学組織と契約の理論、ゲーム理論など)を用いて分析した。本年は、いわゆるモジュール化という現象について中心に分析した。まず藤原が、モジュール化の厳密な定義を行った。すなわち現状では、モジュール化がバンドリングやカプセル化、オープン化といった様々な文脈で使われ、意味が曖昧となっている。そのため、モジュール化をカプセル化やバンドリングの総称とするのに対し、インターフェイスの共通化や標準化の動きをオープン化として、両者を区別して定義することが提唱された。次に金融商品やファイナンスの不完備市場とここでのカプセル化やオープン化の概念を比較するため、原氏に講演を依頼した。原氏のレクチャーではincomplete marketの理論の基礎からこれまでの研究についての概説の後、現実の問題との関わりも含め、incomplete marketの理論の課題について整理と最新の研究の紹介が行われた。
最後にカプセル化の現象について、滝澤が"Fragile System"の問題として考察した。このシステムはn個の要素からなるシステムで、すべての要素が機能しているときのみ、機能するようなシステムである。このFragile Systemについて、n個の要素のうちどれか一つが故障したときに、故障した要素をどのようにして発見するか、より効率的に発見するためにはどのようにしてシステムを構築すればよいかが分析された。結果として、すべての部品をグループに分け、バンドリングすることが効率的となり、カプセル化が内生的に説明されることとなった。

  • 研究成果

    (17件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (17件)

  • [文献書誌] Tetsuji Okazaki: "Japan's Present-Day Economic System and Its Historical Origins"The Japanese Economic System and Its Historical Origins (Tetsuji Okazaki and Masahiro Okuno Fujiwara eds,Oxford University Press). 1-37 (1999)

  • [文献書誌] 奥野正寛: "国家システムの改革"エコノミックス. 1. 71-81 (1999)

  • [文献書誌] 池田信夫: "経済メカニズムとしてのインターネット"通商産業研究所ディスカッションペーパー #00-DOJ-99. 1-20 (2000)

  • [文献書誌] Nobuo Ikeda: "Enabling TV over IP"International Communication Developments, ITU Telecom'99. 121-125 (1999)

  • [文献書誌] Nobuo Ikeda: "Architectural Changes in the Information and Communication Industries"Berkeley-Hitotsubashi Conference on The Coming of the Information-Intensive Century and Innovation in the Organization of the Firm. 19-19 (1999)

  • [文献書誌] 石原秀彦: "資産の流動性と取引費用"循環と成長のマクロ経済学(吉川洋・大瀧雅之編、東京大学出版会). 55-81 (2000)

  • [文献書誌] 川越敏司: "Vickry auctionによる自然環境評価:批判的展望"社会科学論集. 98. 1-20 (1999)

  • [文献書誌] 堀宣昭: "企業組織とインセンシティブ"現代ミクロ経済学(堀江守紀編、勁草書房). (近刊). (2000)

  • [文献書誌] 柳川範之: "カルテル規制"日本の競争政策(後藤晃・鈴村興太郎編、東京大学出版会). 71-95 (1999)

  • [文献書誌] 柳川範之: "製品標準化の経済学的分析"三田学会雑誌. 92(3). 117-136 (1999)

  • [文献書誌] 柳川範之: "家庭用ビデオゲーム産業の経済分析-新しい企業結合の視点"転換期の東アジアと日本企業(青木昌彦・寺西重郎編著、東洋経済新報社). 355-404 (2000)

  • [文献書誌] 柳川範之: "消費者契約法(仮称)は、経済活動の活性化、市場の効率化を阻害するか。"ESP. 331. 26-33 (1999)

  • [文献書誌] 柳川範之: "経済学的視点から見た消費者契約法律法"NBL. 678. 15-17 (1999)

  • [文献書誌] 柳川範之: "企業戦略・契約・通商交渉"東京大学公開講座69・ゲーム 駆け引きの世界(東京大学出版会). 25-48 (1999)

  • [文献書誌] 中泉拓也: "情報化投資の実証研究のサーベイ"通産ジャーナル. (近刊). (2000)

  • [文献書誌] Tetsuji Okazaki(編): "The Japanese Economic System and its Historical Origins"Oxford University Press. 294 (1999)

  • [文献書誌] 川越敏司(訳): "実験経済学の原理と方法(D.Friedman and S.Sunder 著)"同文舘出版. 235 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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