研究分担者 |
角本 伸晃 松阪大学, 政策学部, 教授 (20214421)
吉田 良生 朝日大学, 経営学部, 教授 (50182796)
寺本 博美 松阪大学, 政策学部, 教授 (10155476)
久下沼 仁笥 京都学園大学, 経済学部, 助教授 (40298675)
吉田 雅彦 愛知学院大学, 商学部, 助教授 (60268589)
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研究概要 |
本年度は競争の激化と地方分権化に伴う諸問題を検討した.村上は豊かな社会における経済政策の目的と制度の関係を検討し,制度変化に伴い,経済政策の目的も変化すること,そして制度との関係でセーフティネットの役割が重要であることを明らかにした.酒井は新制度の経済学の観点から,従来と異なる経済政策の理論を主張し,新しい政策基準として,効率性の基準として取引費用基準を,安定性の基準としてセーフティネット基準を,公平性の基準としてナショナルミニマム基準を提案した.吉田良は労働市場流動化に伴う能力開発に関する問題点を明らかにした.角本は土地利用規制に伴う,レント・シーキングの問題を検討し,ゾーニングの外部性による厚生増加がレント・シーキング活動の社会的費用によって覆されること,さらにこれを回避するための諸手段を明らかにした.吉田雅は介護サービスを地方分権との関連で検討し,介護サービスの生産性と地方自治体の効率性を分析した.その結果,行政の効率化=民営化・市町村の合併という図式は,短絡的であることを明らかにした.芹澤は情報が不完全であるときの銀行の「信認」の問題を検討し,銀行システムの安定性のためには,最後の課してとしての中央銀行の役割,預金保険制度,経営危機にある銀行の吸収・合併させる斡旋・調停制度のような公的セーフティネットが必要であることを明らかにした.
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