平成11年度の研究により、以下のような成果を得ることができた。 1.消費者意識調査・意識構造分析 (1)昨年度、埼玉県飯能市・入間市、北海道札幌市において行った消費者意識調査のイメージ調査部分のデータを使用し、対応分析、多次元尺度法、多変量解析等によりイメージ構造分析を行った。それにより、埼玉県と北海道における商業施設に対するイメージの相違性が明らかとなった。 (2)一般に購買行動は年齢層や性別によりその特徴があると考えられる。そこで、昨年度行った消費者意識調査によるAHPの結果(ウェイト)をもとにして、この結果に年齢層や性別の消費性向を考慮した責任ウェイトを導入し、商業施設の総合評価ウェイトの算出を行った。年齢層や性別を考慮することにより、より実態に合ったウェイトの算出が可能となったと考えられる。今後はその総合評価ウェイトの実際の購買行動に対する再現性について検討を行う。 2.GISによるデータベース化と分析 (1)本年度はGIS(地理情報システム)アプリケーションの運用・分析実験を中心に行った。前半は、小さい地域により商業施設の地理的データベース、情報データベースのプロトタイプを作成し、分析の可能性や情報の可視化の実験を行った。後半は、商業施設分布の分析を行うためのさらなるデータ収集、また道路・街区等の地理的(地図)データのデジタル(データ)入力を中心に行った。 (2)(1)で作成したプロトタイプのデータベースをもとに、その上に意識データベースをマッチングした分析法の検討を行った。しかし、技術的問題、分析方法としての問題があり、来年度も引き続き検討を行う。
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