研究概要 |
本年度の研究は,(1)財務データに含まれる情報の分解と(2)分解された因子のリスクに対する感応度の分析を中心に行った. 財務指標をデータとし,主成分分析や因子分析を行った研究はこれまでにもいくつか見られるが,因子の説明力や時系列的な不安定さなどの問題が指摘される.われわれはその主な原因の1つとして財務指標間の関係に強い非線形性があることに着目し,局所主成分分析(Oue 1996)や非線形主成分分析(Gifi 1990,Donnell,Buja Stuetzle 1994)によってこれらの問題が回避できることを確認した. また、非線形因子を説明変数とした信用リスクモデル構築の予備的分析として、倒産リスクに対する感応度を調べた.
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