研究分担者 |
山田 裕史 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40192794)
小池 和彦 青山学院大学, 理工学部, 教授 (70146306)
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
寺田 至 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (70180081)
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研究概要 |
平成11年度は,古典群,量子群やWeyl群,Hecke環などの表現論と組合せ論との境界領域において,次のような研究を行った. (1)岡田は,石川-若山によって拡張された小行列式のPfaffianによる和公式の応用として,最高ウェイトが長方形に近いYoung図形に対応する古典群の既約表現に対して,それらのテンソル積,部分群への制限の分解などを具体的に与える公式を得るとともに,例外型の場合への拡張をめざして研究を進めた.また,小行列式の和公式の無限次元版の,Selberg型の積分などへの応用もめざして実験を進めた. (2)柏原は,谷崎俊之との共同研究において,無限次元旗多様体の幾何やその上のD-加群などを用いることにより,Kac-Moody Lie環の最高ウェスト表現の指標公式(Kazhdan-Lusztig予想)を,対称化可能なKac-Moody Lie環のpositive rational な最高ウェストの場合,affine Lie環の non-criticalな最高ウェストの場合に導いた. (3)小池は,直交群の既約スピン表現を,自然表現のテンソル積表現と基本スピン表現のテンソル積の中に実現する問題について,研究を進めた. (4)寺田は,T.Robyとの共同研究において,sp(2n)のWeil表現のテンソル積の分解を与えるRobinson-Schensted型対応を構成した.また,Brauer diagramとupdown tableauを対応させる Robinson-Schensted型対応に対するSteinberg流の幾何学的な意味付けの考察を進展させた. (5)山田は,SchurのQ-関数がaffine Lie環の基本表現のウェストベクトルとなることを見出し,その属するウェスト空間をYoung図形の組合せ論を用いて明らかにした.また,SchurのS-関数とQ-関数の間の一見奇妙な関係について,対称群のスピンモジュラー表現の観点からその意味を明らかにし,標数2の場合のスピン分解行列をD^<(2)>_2型affine Lie環との関係から研究した.
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