研究概要 |
本研究は4-weightスピンモデルの分類,4-weightスピンモデルを最も適切に記述する組み合わせ論的な対象は何かと言うことを解明すること,などを主な課題にしている.すでに自己双対的なアソシエーションスキームと4-weightスピンモデルがが深く関わっていること(2-weightの場合はモジュラー不変性も)が知られている.今年度の研究では研究代表者は九州大学の大学院生であった川崎一樹との共同研究によりおもにユークリッド空間のs-距離集合について研究を行いp-個の球面上にのっているs-距離集合の点の個数の上限に関して改良した結果を出すことに成功した.この上限はDelsarte,Seidel等により定義されたユークリッド空間のtight-デザインの点の個数に一致しいる.まだ複数個の球面にのっているユークリッド空間のtight-デザインは一つも発見されていないのであるが存在すれば良い性質をもったアソシエーションスキームを与えることになる. モジュラー不変性を持つ自己双対的なアソシエーションスキームはfusion algebrasと関係していることが知られている.一方,T.Gannonなどにより有限群の指標表を使ってfusion algebraを作る方法が知られているが研究代表者は坂内英一,および九大の大学院生の島袋修,田上真との共同研究においてA_5の場合について具体的に計算を試みて結果を出しつつある. 共同研究者の野村和正は非対称な2-weightスピンモデルの構造をアソシエーションスキームの言葉で解明し(生田卓也との共同研究),またB.Curtinとの共同研究によってstrongly hyper-self-dualという概念をアソシエーションスキームのBose-Mesner代数に導入することに成功している. 今年度も(13年3月5日-7日)九大で(共同研究者の一人である金沢大の伊藤達郎との共催)で代数的組み合わせ論ミニ集会を行い情報の収集と意見の交換を行う(13年3月4日記).
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