アソシエーションスキームとスピンモデル

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 10440011
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 坂内 悦子 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (00253394)
• 研究分担者: 伊藤 達郎 金沢大学, 理学部, 教授 (90015909) ; 宗政 昭弘 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (50219862) ; 坂内 英一 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (10011652) ; 野村 和正 東京医科歯科大学, 教養部, 教授 (40111645)
• キーワード: スピンモデル / アソシエーションスキーム / デザイン / typeII行列 / Bose-Mesner代数 / s-距離集合 / 代数的組合せ論

研究概要

この研究は代数的組み合わせ論の重要な研究対象の一つであるアソシエーションスキームが3次元ユークリッド空間のリンクの不変量を与えるspin modelと深く係わることが発見されたことから始まった。その関連を調べて行く内にタイプIIと呼ばれる行列がアソシエーションスキームのボーズメスナー代数を構成することが発見された。また他方において距離空問におけるs-距離集合とデザインに関するデルサルトの理論が球面に応用されているが他の等質空問について同様な理論が成り立つか等という問題がある。もし他の等質空間についてもtightなデザインが構成できればアソシエーションスキームがそこに作られる可能性がある。
今年度は以下のような研究を主に行った。
ユークリッド空間のantipodalなs-距離集合の点の個数の上界がユークリッド空間のantipodalなデザインの点の個数の下界に一致することが分かった。antipodalな場合には自明ではあるがtightなデザインの存在があるがantipodalでない場合には依然としてその例の存在が確認されていない。
タイプII行列の一つであるアダマール行列から得られるボーズメスナー代数の例を知られているアダマール行列について調べた。自明な物だけでないことが解った。
サイズ8の4-weight spin modelの分類を大学院の学生に計算させて知られている2-weight spin modelとgauge同値なものだけであることがわかった。
この研究に与えられた科研費は主に旅費として使うた。国内外の研究者達との有効な交流を行うことが出来た。今年度も3月6-8日に九州大学で代数的組み合わせ論ミニ集会を開くことにより研究成果に関して情報交換しまた今後の研究にとって重要な情報を得る機会を持つ。

研究成果

• [文献書誌] Etsuko Bannai: "Bose-Mesner Algebras Associated with Four-weight spin models"Graphs and Combinatorics. 17. 589-598 (2001)
• [文献書誌] Etsuko Bannai, Mitsuhiro Sawano: "Symmetric Designs Attached to Four-weight Spin Models"Designs, Codes and Cryptography. 25. 73-90 (2002)
• [文献書誌] K.Nomura, B.Curtin: "Spin models and strongly hyper-self-dual Bose-Mesner algebras"J.Alg.Combin. 13. 173-186 (2001)
• [文献書誌] K.Nomura: "A property of solutions of modular in variance equations for distance-regular graphs"Kyushu-J.Math. (発表予定).
• [文献書誌] E.Bannai, M.Koike, A.Munemasa, J.Sekiguchi: "Some results on modular forms"Advan-ced Studies in Pure Mathematics. 32. 245-254 (2001)
• [文献書誌] A.Munemasa, K.Betsumiya, M.Harada: "Type II codes over F_2r"Springer Lecture Notes in Comp.Sci.(Applied Alg. Algebraic, Algorithm and Error …. 2227. 102-111 (2001)